米Appleが現地時間2015年10月27日に発表した2015会計年度第4四半期(2015年7〜9月期)の決算は、主力の「iPhone」の販売が好調で増収増益となった。売上高は515億100万ドルで、前年同期から22%増加した。純利益は同31%増の111億2400万ドル、希薄化後1株当たり純利益(EPS)は1.96ドルで同38%増加した。また営業利益は同31%増の146億2300万ドル、粗利益率は39.9%で前年同期の38%から拡大した。

 当期の同社製品販売台数を製品別に見ると、iPhoneは4804万6000台で、前年同期から22%増加し、7〜9月期の販売台数の記録を更新した。パソコンの「Mac」は同3%増の570万9000台で、四半期の販売台数として過去最高となった。一方で「iPad」は988万3000台で、同20%減少した。

 このうち9月25日に販売を開始したiPhoneの新モデル「6s」「6s Plus」について、Appleは同月25日と26日の2日分だけ当期に計上しており、同月27日以降の分は2015年10〜12月期に計上する。Tim Cook最高経営責任者(CEO)は決算発表の声明で、「iPhone 6s/6s Plus、Apple Watch、iPad Pro、Apple TVなどの当社最強の製品ラインアップとともにホリデーシーズンを迎える」と述べ、年末商戦に向けて自信を示した。

 なお、4月に販売を開始した腕時計型端末「Apple Watch」について、Appleはその販売台数を公表していない。このApple Watchや、iPod、Apple TV、Beats製品などを含む「その他製品」カテゴリーの当期の売上高は30億4800万ドルとなり、前年同期から61%増加、前の四半期から15%増加した。

 当期の売上高を地域別に見ると、米大陸が前年同期比10%増の217億7300万ドル、欧州は同2%増の105億7700万ドル。中国(香港と台湾を含む)は125億1800万ドルで、同99%増とほぼ2倍になった。日本は39億2900万ドルで同9%増加した。他のアジア太平洋地域は同27%増の27億400万ドルだった。米国外からの売上高が総売上高に占める割合は62%となった。

 Appleは、2016会計年度第1四半期(2015年10〜12月)の売上高が755億〜775億ドルの範囲になるとの見通しも明らかにした。これは前年同期(2014年10〜12月)の売上高、745億9900万ドルを上回っている。また、米Wall Street Journalによると、この見通しはアナリスト予想の771億4000万ドルとほぼ一致している。Tim Cook CEOは、iPhone 6s/6s Plusへの買い替え、Androidスマートフォンからの乗り換え、引き続き成長する中国市場に期待しているという(Bloombergの記事)。

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