図●動画広告の市場規模推計
図●動画広告の市場規模推計
(出所:サイバーエージェント、シード・プランニング)
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 サイバーエージェントは2015年10月27日、動画広告の国内市場に関する予測を発表した。2015年の市場規模は前年比6割増の506億円、17年には1000億円を超えると予測した()。けん引役はスマートフォン向けで、16年には過半数を占めるとした。動画広告の種類別にみると、ネット動画の合間に流れるタイプが現在は主流だが、SNSの投稿文といったコンテンツの間に表示されるタイプが急成長する見通し。若年層を中心にしたスマホ利用時間の増加を背景に、今後も動画広告の成長は続きそうだ。

 調査会社のシード・プランニングと共同で調べた。サイバーエージェントの動画関連調査組織オンラインビデオ総研と、シード・プランニングのデジタル分野担当部門デジタルインファクトが実務を実施。動画広告関連企業への聞き取りや広告主企業の広告費などを基に予測した。

 利用者の視聴機器別にみると、15年はスマホの比率が全体の46%と、PCに迫る。16年にはスマホ比率がPCを上回り、その後もスマホ比率が高い状態が続くとみている。

 背景にあるのが若年層のスマホ利用機会の増加だ。同社の調べでは10代がスマートフォンからネット動画を見る割合は80%と、テレビの視聴機会にほぼ並んだ。

 動画広告の種類別では、「YouTube」などの動画コンテンツの最初や合間に再生される「インストリーム広告」が15年は全体の7割を占める。この比率は20年までおおむね同じとなる見通しだ。

 一方で規模は小さいものの急速に比率が高まるとみているのが「インフィード広告」と呼ぶタイプ。「Facebook」や「Twitter」の投稿文を表示する画面(タイムライン)に、投稿文と並んで表示される広告だ。Facebookなどのスマホアプリでは、画面に表示すると自動的に動画広告を再生する。同広告は15年が前年比3倍超の53億円。16年には同9割増の100億円規模に達すると予測する。