東日本旅客鉄道(JR東日本)は2015年10月末までに、山手線の全36駅のネットワーク基盤にSDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング)を全面導入する。駅構内に公衆無線LANサービスなどを新しく構築する際の、ネットワーク構築や設定の工数を削減する。複数の駅で運用されるネットワークをつなぎ、一元管理できる効果も狙う。

 SDNを使うと、ネットワーク機器をソフトウエアで集中制御できる。ネットワーク機器の物理的な接続を変えずに、通信経路や機器の設定を柔軟に変更できるため、機能の追加やシステムの改修が容易になる。

 JR東日本は、駅構内の複数のシステムを接続する「駅構内共通ネットワーク」にSDNを活用する。列車運行情報や監視カメラを管理するシステムなども、同ネットワーク上に構築することを視野に入れているという。従来型のネットワーク管理方式に比べて、新システムの構築が容易になる。このほか、構内の改良工事を実施するたびに、これまでは必要だったネットワーク機器の設定などもソフトウエアで管理できる。

 導入するSDNコントローラとスイッチはNECの「UNIVERGE PFシリーズ」。全駅の合計でコントローラを20台、スイッチを174台導入する。