米FacebookのMark Zuckerberg最高経営責任者(CEO)は、中国で現地時間2015年10月24日、北京にある清華大学で講演を行った。同氏は原稿を持たずに登壇し、中国語(北京語)で約22分間スピーチした。
Zuckerberg氏は講演の動画を自身のFacebookアカウントで公開し、「たった今、清華大学で人生初の中国語の講演をしたところだ。なぜ世界を変えるには強い使命感が必要かについて話をした」と投稿している。
米メディアの報道(Wall Street JournalやWashington Postなど)によれば、同氏は大学在学中にFacebookを立ち上げたきっかけや同社の目的について語り、「インターネットには多くのWebサイトがあり、ニュース、音楽、本など、ほぼすべてのものが見つけられた。しかし人生で最も重要なもの、つまり人々を見つける手助けになるサービスはなかった」「私は人々をつなげたい。Alibaba Group(阿里巴巴)やXiaomi(小米科技)といった中国企業にも同様のストーリーが見える」と述べた。
また、「米国でうまくいったからといって、世界で通用するとは限らない」という疑念をFacebookが克服し、世界的に成功していることについて、懸命に努力を続ければ世界を変えられる喩えとして、中国のことわざ「鉄の杵を磨いて針と成す」(どこまでも磨き続ければ鉄の棒も針になる)を引用した。
Zuckerberg氏は、昨年、同大学で行われた学生のとのディスカッションでも中国語で応じ、9月の習近平中国国家主席の訪米中に開かれた技術企業トップとの会合の際にも、習主席と中国語で会話したという。
中国では2009年以降、Facebookや「Twitter」「YouTube」といった米ネットサービスへのアクセスが遮断されている。今回の中国語のスピーチは、中国での事業展開を熱望するZuckerberg氏の思いを表しているが、このスピーチが劇的な変化をもたらすことはないだろうとする北京外国語大学教授の意見を、米New York Timesは紹介している。