写真1●ファイナリストと審査員の集合写真
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写真2●優勝した成蹊小学校6年の中馬慎之祐さん
写真2●優勝した成蹊小学校6年の中馬慎之祐さん
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 2015年10月25日、小中高生が開発したスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)向けアプリのコンテスト「アプリ甲子園 2015」の決勝大会が東京大学の伊藤謝恩ホールで行われた(写真1)。アプリ甲子園の主催者はD2C。今回が5回目の開催となる(関連記事:中高生向けアプリ開発コンテスト「アプリ甲子園」が作品募集開始)。

 今大会では合計1334作品が応募された。決勝大会では、1次予選、2次予選を通過した10組がファイナリストとして登壇。開発者がそれぞれ開発したアプリについて5分間のプレゼンテーションを行う。5人の審査員がプレゼンテーションとアプリの実装コードを評価し、企画力(独創性、デザイン、消費者支持度)と、実装力(操作性、技術点、完成度)の2つの評価軸からアプリを採点する。

 審査の結果、優勝作品に選ばれたのは、成蹊小学校6年の中馬慎之祐さんが開発したiOSアプリの「allergy(アレジー)」(写真2)。このアプリは、食物アレルギーを持つ人のために開発されたもの。海外の飲食店などで自分が注文するメニューにアレルゲンが含まれていないかを確認できる食物アレルギーの情報アプリだ。

 アプリの利用者は母国語を選択し、食物アレルギーの主な原因になる卵や牛乳、小麦などの9種類のアレルゲンから自分のアレルゲンを選択する。続いて、飲食店の店員が理解できる翻訳先の言語を選択すれば、アレルゲンが含まれていないかどうかを確認できる画面が店員にわかる言語で表示される。飲食店の店員にこの画面を見せてタップしてもらい、メニューにアレルゲンが含まれているかを確認する。対応言語は、英語やフランス語、スペイン語などの8カ国語。

 allergyは、10作品の中でも企画力の評価が最も高かった。審査員の一人であるデジタルハリウッド大学学長の杉山知之氏は、「アプリはどれだけ多くの人に楽しんでもらえるか、利用価値があったか、といったことが重要。世界中の食物アレルギーを持つ人たちに貢献できるという点でallergyに対する審査員一同の評価はとても高かった」と評した。

 準優勝には、さいたま市立桜木中学校2年の太田史帆さんが開発したノート作成アプリ「mago-note」、第3位には開成高等学校1年の大渕雄生さんが開発した弾幕シューティングを作成できるアプリ「DANMAKER」、第4位には早稲田大学高等学院2年の中山晶平さんが開発した動画再生中やブラウジング中にもアプリを切り替えることなくメモを取れるアプリ「PutOn」、第5位には国立米子工業高等専門学校3年の清水大輝さんが開発した話題のキーワードから関連するメディアの情報を取得できるアプリ「Streeem」が選ばれた。