クラウドERP(統合基幹業務システム)を提供するワークデイは2015年10月21日、報道関係者向けに説明会を開いた。日本市場に本格参入した1月からの事業展開の状況や、米国本社が9月29日(現地時間)に発表したタレントマネジメント用のアプリケーション「Workdayラーニング」などについて説明した。

 ワークデイは、人事と会計機能を提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型のERP「Workday」を提供する。グローバルに拠点を持つ企業が主なターゲットで、導入企業は拠点間で同一バージョンのERPを利用できる。グローバルに1000社以上の採用実績があるという。日本では会計機能はまだ提供されていない。

写真1●金翰新代表取締役社長ゼネラルマネージャ
写真1●金翰新代表取締役社長ゼネラルマネージャ
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 説明会に臨んだ金翰新代表取締役社長ゼネラルマネージャは、「日本市場での事業展開は順調だ。計画を上回るスピードで拡大できている」と話した(写真1)。その主な理由として、ソニー、日立製作所、ファーストリテイリングなどの企業が早期に採用を決めたことを挙げた。「グローバル企業に対する実績が、成長戦略において武器になる」(金社長)。

 説明会では、Workdayラーニングについても解説した。米国ラスベガスで9月28日から10月1日まで開かれた同社の年次イベント「Workday Rising Las Vegas 2015」で発表されたものだ。

 Workdayラーニングは、企業における人材育成や研修などのプログラムを履修できるアプリだ。人事担当者などが作成した研修プログラムの教材を、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で閲覧できる。プログラムに対するアンケートを実施したり、受講者同士でコミュニケーションしたりできる機能も搭載する。

写真2●ディレクター,プロダクト マネージメント HCM Japan プロダクトリーダーの宇田川博文氏
写真2●ディレクター,プロダクト マネージメント HCM Japan プロダクトリーダーの宇田川博文氏
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 機械学習技術を活用して、過去に従業員が部署異動したログデータを解析する機能も持つという。「例えばある従業員が部署移動を希望した場合に、希望部署ではどのような人材が求められるかを分析するのに役立つ」(ディレクター,プロダクト マネージメント HCM Japan プロダクトリーダーの宇田川博文氏、写真2)。

 Workdayラーニングは、2016年9月にリリースされる、Workdayのバージョン27で実装される見通しだ。Workdayは半年に1回の頻度でバージョンアップデートがあり、2015年10月時点ではバージョン25となっている。