写真●米Western Digitalに買収されたことを告げる米SanDiskのWebサイト
写真●米Western Digitalに買収されたことを告げる米SanDiskのWebサイト
[画像のクリックで拡大表示]

 HDDメーカーの米Western Digitalは現地時間2015年10月21日、半導体メモリー大手の米SanDiskを買収することで最終合意に達したと発表した。Western DigitalはSanDiskのすべての発行済み株式を1株当たり86.50ドルで取得する。同買収案は、すでに両社取締役会が承認しているという。手続き完了は2016年第3四半期を予定している。

 買収総額は約190億ドルにのぼる見込みで、支払いは現金と株式で行う。現金と株式の比率は、先ごろ発表した中国Unisplendour(紫光集団)によるWestern Digitalへの出資手続きが完了するタイミングによって異なる。

 Western Digitalは、SanDisk買収によって、製品投入の対象市場が2倍に拡大し、より成長著しいフラッシュ分野への参加を強化できる。HDD、SSD、クラウドデータセンター向けストレージ、フラッシュストレージを含む両社の相補的な製品ラインにより、消費者向けからデータセンター向けの幅広い製品および技術を提供するとしている。

 なおSanDiskと東芝が共同出資するNANDフラッシュ製造事業は運営を継続する。同合弁事業では3D NANDフラッシュの生産体制の強化も進める。

 パソコン市場の縮小を背景に、ストレージ業界では整理統合が活発化している。例えば、米Dellは米EMCを約670億ドルで買収する計画を今月発表している(関連記事:デルがEMC買収を正式に発表、買収総額は約670億ドル)。

 またWestern Digitalは、2016会計年度第1四半期(2015年7~9月)の決算速報を同日発表した。売上高は34億ドル、米国会計原則(GAAP)ベースの粗利益率は28.4%、純利益は2億8300万ドル(1株当たり利益は1.21ドル)になる見込み。特別項目を除いた非GAAPベースの場合、粗利益率は28.9%、純利益は3億6600万ドル(1株当たり利益は1.56ドル)となる。正式な決算発表は10月28日に行う。

[発表資料(買収関連)]
[発表資料(決算速報)]