写真●HP Helion Public CloudのWebサイト
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 米Hewlett-Packard(HP)は2015年10月21日(米国時間)、パブリッククラウドのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「HP Helion Public Cloud」を2016年1月31日に終了すると発表した。パブリッククラウドを求める顧客に対しては「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」上でのシステム構築サービスを提供する。

 HPはオープンソースソフトウエア(OSS)のIaaS構築ソフトである「OpenStack」を使用して、パブリッククラウドのサービスであるHP Helion Public Cloudを提供しているほか、顧客の社内に構築するプライベートクラウド用にOpenStackのディストリビューション(検証済みパッケージ)である「HP Helion OpenStack」を販売していた。

 HPはパブリッククラウドから撤退し、クラウド事業に関しては、OpenStackを使用したプライベートクラウド構築事業や、顧客のプライベートクラウドをHPのデータセンターで運用するサービスである「Managed Cloud」や「Virtual Private Cloud」の事業、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業に専念する。

転換点を迎えた既存メーカーのパブリッククラウド

 米国の大手ハードウエアメーカーやソフトウエアメーカーによるパブリッククラウド事業は、大きな転換点を迎えている。米IBMと米VMwareも、パブリッククラウドのブランド名やサービスを、買収した独立系クラウド事業者のブランドに統合し始めているからだ。

 米IBMもHPと同様に、かつてはOpenStackを使って構築した独自のパブリッククラウドを提供していたが、現在は買収した米SoftLayerのサービスを、IBMのパブリッククラウドの柱に据えている。米VMwareも2015年10月20日、同社のパブリッククラウドである「vCloud Air」の事業を、親会社の米EMCと折半出資で設立した新会社である米Virtustreamに移管すると発表した(関連記事:米EMCと米VMware、クラウド事業を「Virtustream」に統合)。VirtustreamはEMCが2015年5月に買収した独立系クラウド事業者の社名だった。

 ・発表文