日立製作所は2015年10月21日、監視カメラや各種センサーなどが収集した大容量データを、これらの機器を設置した現場からモバイル回線経由で高速にクラウドに転送できるようにするシステム構築サービス「大容量ファイル転送サービス」()を発表した。12月25日に提供開始する。価格は個別見積もり。

図●大容量ファイル転送サービスの概要(出典:日立製作所)
図●大容量ファイル転送サービスの概要(出典:日立製作所)
[画像のクリックで拡大表示]

 同社は、カメラ映像/画像やセンサーデータなどをクラウドで収集/管理するための製品サービス「M2Mトラフィックソリューション」を提供している。構成要素は、データを収集するセンサーノード、センサーノードで収集したデータをクラウド環境へ送信するゲートウエイ装置、収集データの管理やセンサー機器の制御などを実施するクラウドサービス、など。

 今回、M2Mトラフィックソリューションで提供できるシステム構築サービスのラインアップを拡充し、映像などの大容量データを、センサーノードが置かれた屋外の現場から直接、モバイル回線経由でクラウドに転送するシステムを構築できるようにした。この目的のために、LTE通信網(マルチキャリア対応)とWAN高速化機能を備えた屋外用のゲートウエイ装置を新たに用意した。

 WAN高速化機能として、同社の独自義技術「Hitachi WAN Optimizer」を搭載する(関連記事:日立、WAN高速化装置に840万円からの廉価モデルを追加)。特徴は大きく二つある。(1)一つは、通信先からの送達確認を待たずに次のTCPパケットを送信することで、長距離通信における往復遅延時間の影響を減らすこと。(2)もう一つは、応答パケットが戻っているかどうかを指針にパケット廃棄率の変化を測定し、これに応じてデータ送信レートを動的に制御すること。パケットが廃棄されないようにしながら、この上で限られた帯域を最大限使い切るように、データ送信レートを可能な限り引き上げる。

 ゲートウエイ装置のきょう体も、高温、多湿、紫外線、振動といった屋外の過酷な環境で使えるように新規のハードウエアを用意した。