米Googleが、音声検索技術やスマートウオッチを手がける中国の新興企業「Mobvoi」に出資したと、複数の海外メディア(米Wall Street Journal米Bloomberg米Fortuneなど)が現地時間2015年10月20日に伝えた。

 Mobvoi(中国名:出門問問=Chumenwenwen)はGoogle出身のLi Zhifei氏が設立した企業。中国語の音声検索モバイルアプリや、「Ticwatch」というスマートウオッチと、そのOSなどを手がけている。Wall Street Journalによると、同音声検索アプリの累計ユーザー数は200万人。スマートウオッチは今年6月に発売して以来、これまでで3万台が売れた。またGoogleのウエアラブル端末向けOS「Android Wear」の中国版では、Mobvoiの音声検索と音声認識技術が使われたという。

 今回の出資に関し、Googleは金額などの詳細を明らかにしていない。ただ、事前に公開されたMobvoiへの投資に関する資料によると、Googleの出資金額は4000万〜4500万ドルになるとWall Street Journalは伝えている。

 Googleの経営企画担当バイスプレジデントのDon Harrison氏は、「Mobvoiは非常に独特な音声/自然言語処理技術を開発している。我々は彼らの革新的なアプローチと、その初期段階の勢いに感銘を受けた」と述べている。

 Googleはかつて中国本土で各種のネットサービスを提供していたが、同国からのサイバー攻撃や当局に強いられている検閲が耐えられないとして、2010年に中国本土向けの多くの事業を停止した。だがGoogleは、中国企業向けの海外ネット広告事業などは続けている。今年9月には、中国版のGoogle Playアプリストアの開設を計画していると伝えられた。また同社の投資事業Google Capitalは昨年、クラウドコンピューティング向け高速光トランシーバーを手がける中国InnoLight Technologyに出資した(関連記事:Google、5年ぶりに中国本土復帰か アプリストア計画中)。