静岡大学教育学部附属静岡小学校は2015年10月16日、「問いをつなぐ学び」をテーマに、公開授業やパネルディスカッションなどで構成した研究発表会を開催した。タブレット型パソコンや電子黒板などを活用した授業も披露した。

 同校では、子供が解決したいと思う疑問を「問い」と位置付け、「問いをつなぐ学び」を研究のテーマにして、教育活動に取り組んでいる(写真1)。子供たちが能動的に学び続けていくには、子供に生まれる問いを大切にすることが重要だとして、問いをきっかけにグループでの対話などを通じて考えを深めていく教育を進めている。その際に、学級全体で考えていく問いを共有するために板書やICT(情報通信技術)を用いて見えない情報を可視化したり、子供たちが対話する場面を意図的に設定したりすることが大切だとしている。

写真1●研究発表会の全体会では、静岡大学教育学部附属静岡小学校の菅原知成研究部長が、「問いをつなぐ学び」を研究テーマにした取り組みについて解説した。同校は、子供に生まれる「問い」を重視して、問いをきっかけに児童が考えを深めていく教育を進めている
写真1●研究発表会の全体会では、静岡大学教育学部附属静岡小学校の菅原知成研究部長が、「問いをつなぐ学び」を研究テーマにした取り組みについて解説した。同校は、子供に生まれる「問い」を重視して、問いをきっかけに児童が考えを深めていく教育を進めている
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 5年2組では平松祐教諭が、個人情報を守りながら情報を活用していく必要があることを学ぶ社会の授業にICTを活用した。この授業では、1人1台のタブレット型パソコンを利用した。例えば、個人情報に関する児童の議論の中で「マイナンバー」の話題が出たときに、平松教諭はあらかじめマイナンバーについて解説する資料を用意してあることを紹介した。