グレープシティは2015年10月20日、拡張現実(AR)技術を組み込んだアプリ開発用のツールや、ARアプリ開発用のクラウドサービスを提供すると発表した。発表されたツールやサービスは、(1)ARアプリ開発用の開発ツール「Wikitude SDK」、(2)ARアプリをブラウザ上で開発できるサービス「Wikitude Studio」、(3)大規模AR開発用のクラウドサービス「Wikitude Cloud Recognition」、(4)コンテンツ管理システムなどに保存された画像をWikitude SDKから認識できるターゲットに変換するWeb API「Wikitude Targets API」の4つ。開発元はいずれもオーストリアWikitude。

 (1)は、Web標準の技術であるHTML5/JavaScript/CSSを使って開発されたSDK。位置情報を取得してARコンテンツを表示したり、マーカーとして登録した画像にARコンテンツを表示したりするARアプリを開発できる。ARコンテンツとして表示できるものには、2D画像や3Dモデル、動画、テキスト、HTMLコンテンツなどがある。

 (2)は、ARアプリをプログラミングレスで開発できるWebサービス。アプリ開発時には、Web上の開発画面を使ってターゲット画像とターゲット画像を認識した際に表示するARコンテンツを登録する。この作業だけで、Wikitudeが無償提供する専用のiOS/Androidアプリから登録したARコンテンツを閲覧できるようになる。開発画面のメニューなどは、今後日本語化する予定。

 (3)は、ARコンテンツを表示する際のターゲット画像をクラウド上に保存できるサービス。開発するアプリ内にターゲット画像を保存しなくてもよいのでアプリのサイズを抑えられる。(4)は、自社のコンテンツ管理システムなどに保存された画像を使ってARアプリを開発するために利用する。画像をWikitude SDKから認識できるターゲットに自動変換できる。

 価格は(1)のWikitude SDKが税込12万960円から。(2)~(4)のサービスには、月間サブスクリプションと年間サブスクリプションのライセンス形態がある。(2)のWikitude Studioの価格は、ターゲット画像数が25枚の月間サブスクリプションで税込8640円。(3)のWikitude Cloud Recognitionの価格は、最大ターゲット画像数が1000枚の月間サブスクリプションで税込3万9960円。(4)のWikitude Targets APIの価格は100枚までの画像を変換する月間サブスクリプションで税込1万9440円。

グレープシティの発表資料