米Googleの書籍全文検索サービス「Google Books」が著作権侵害にあたるとして、米国作家協会Authors Guildや著作者らが同社を提訴していた裁判で、米第2巡回区連邦控訴裁判所は現地時間2015年10月16日、米ニューヨーク州南地区連邦地方裁判所の判断を支持し、原告側の主張を退けた。

 Authors Guildは、「『フェアユース』を誤って解釈した地裁の裁決を覆さなかった控訴裁の判断に失望している」との声明を同日発表。米最高裁判所に上訴する意向を明らかにした。

 Google Booksは、公共図書館や大学図書館の蔵書をデジタル化し、インターネットで検索・閲覧可能にしたサービス。Authors Guildや出版業界は2005年に、Google Books(当時の名称は「Google Book Search」)が著作権侵害に当たるとして同社を提訴。2008年にGoogleが一定の金額を払うことなどで和解に合意したものの、2011年に地裁が和解の承認を拒否。訴訟は振り出しに戻り、2013年11月に地裁は「Google Booksはフェアユースの範囲」とするGoogleの主張を認める判断を下した(関連記事:「Google Books」を巡る係争でGoogleが勝利、フェアユースの主張が認められる)。原告側はこれを不服として控訴していた。

 今回控訴裁は、Google Booksでの検索は全文が対象であるものの、検索の結果閲覧できるのは書籍の一部に限られ、すべての内容を参照する手段は提供していないことなどから、「フェアユースを侵害しておらず、著作権法に違反しない」と結論付けた。

[裁判所資料(PDF文書)] [Authors Guildのプレスリリース]