V-Lowマルチメディア放送は2016年3月に、福岡、大阪、東京で本放送を開始する。エフエム東京が中心となって設立したV-Lowマルチメディア放送の事業全般を推進するホールディング会社のBIC株式会社(ホームページ)らが2015年10月15日に発表した。

 この日は、BICのほか基幹放送局提供事業者(ハード事業者)となる株式会社VIP、関東・甲信越広域圏の移動受信用地上基幹放送局(ソフト事業者)となる東京マルチメディア放送のBICグループ3社が共同で会見を開催した。

 この中で、V-Lowマルチメディア放送のコミュニケーションネームを「i-dio(アイディオ)」に決定したことや、i-dio初対応スマホとして、SIMフリースマートフォン「i-dio Phone」(販売元:コヴィア)が、12月に発売予定であることが併せて発表された。

 この日の発表で、当面3種類の受信端末を展開する方針が示された。

 その一つがV-Low波を受信して無線LANに変換するWi-Fiチューナーである。モニターを対象に10万台を無償配布する計画だ。

 スマホに向けてi-dioアプリを用意する。リアルタイム放送の受信機能、HTML5データ放送表示、蓄積型放送受信、EPG表示、チャンネル選択、緊急情報のポップアップ表示などの機能を持たせる。Wi-Fiチューナーの所持者は、このアプリを手持ちのスマホにダウンロードすることで、スマホを利用してV-Lowマルチメディア放送を楽しむことができる。

 第2の端末が、昨年発表された防災ラジオ(加賀ハイテック)である。既に、宗像市が2015年9月28日、同端末を採用した災害情報配信(V-ALERT:V-Lowマルチメディア放送を活用した災害情報配信)を全国で初めて試験的に導入開始したと発表している(関連記事)。

 そして第3の端末が、この日発表された「i-dio Phone」である。5インチの液晶、FMとテレビの受信機能を搭載。i-dioアプリをプリインストールする。COVIA公式ネットショップや全国主要家電量販店、オンラインショップなどで販売する。

 このほか、スマートフォンに直接接続するタイプのチューナーユニット、カーナビゲーションシステム、機器埋め込み型の受信モジュールも各社により開発が進行中とした。