日本オラクルは2015年10月13日、CRM(顧客関係管理)やSFA(営業支援)の機能をSaaS型クラウドサービスとして提供する「Oracle Sales Cloud」を同日付けで強化したと発表した。新たに、ハイテク・製造、金融、消費財、通信の4分野の業界別テンプレートを追加したほか、ホワイトスペース分析機能や販売代理店管理機能を追加した。

 主な強化点は三つある。一つは、ハイテク・製造、金融、消費財、通信の4分野向けに業界別テンプレートを用意したこと。業界特有のデータモデルや画面、業務フロー、ルールを組み込んだ。これにより、営業チームは業界特有の需要に対応できるとしている。テンプレートの活用により、アプリケーションの実装工数も削減できる。

 分析機能も強化した。どこがホワイトスペースで、提案すべき製品が何かを推奨するホワイトスペース分析機能を追加した。担当顧客ごと、製品ごとの軸で、何がどこで売れている/売れていない、という状況を画面上で分かりやすく表示する。担当顧客の企業規模も加味した上で、推奨製品と売上予測金額を営業担当者に直感的に判断できるよう提示する。

 販売代理店管理機能も新規に追加した。販売代理店との間の売上予測と実行状況を可視化する。販売代理店の新規案件登録から、見込み案件情報の連携、代理店向けの教育プログラムといった広範囲のプロセスを支援する。販売代理店ごとのビジネス状況をリアルタイムに可視化することで、問題点や改善点を早期に発見できるとしている。

 Oracle Sales Cloudを強化した背景には、顧客と営業部門との接点や関係性が大きく変化している状況がある。同社では、米CEBが発表した最新のレポートを引き合いに出して「購買プロセスの57%は、営業担当者にコンタクトする前に完了する」としている。こうした購買決定プロセスの変化に応じた営業施策を支援するという。