全国の高等専門学校の学生がプログラムやものづくりのスキルを競う「全国高等専門学校プログラミングコンテスト」(通称プロコン)が、2015年10月11日と12日、長野県長野市で開催された(写真1)。同コンテストの開催は今回が26回目となり、その年に注目を集める技術やサービスを活用したシステムの応募が増える傾向がある。今回は、今年に入って注目を集めたドローン(無人飛行体)を活用したものが多かった。

写真1●長野市で行われた第26回高等専門学校プログラミングコンテスト
写真1●長野市で行われた第26回高等専門学校プログラミングコンテスト

 同コンテストは、競技部門、課題部門、自由部門で構成される。競技部門は、あらかじめ開発したアルゴリズムを競うもので、与えられた課題に対して勝ち抜いた、上位チームが次の試合に進むという勝ち抜き形式で行われる。今年の課題は「石畳職人Z」と呼ぶパズルゲームで、提示された絵柄(敷地)の空きマスに、並べる順番と形状が指定されたブロック(石)を限界まで埋めていくというもの(写真2)。埋められなかったマスの数や置いた石の数(手数)の少なさなどが評価基準になる。

写真2●今年の競技部門の課題は「石畳職人Z」パズルゲーム
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●今年の競技部門の課題は「石畳職人Z」パズルゲーム
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●今年の競技部門の課題は「石畳職人Z」パズルゲーム
ひらがなや2次元バーコードなど、提示された絵柄(敷地)の空きマスに、並べる順番と形状が指定されたブロック(石)を限界まで埋めていく。

 課題部門は、昨年と同様、「防災・減災対策と復興支援」がテーマ。全応募作品は43作品で、そのうち20作品が選抜された。今回は、マレーシアと台湾の大学チームも本戦に加わった。

 自由部門は、文字通り応募者が自由なテーマ設定で開発したプログラムが対象になる。全応募作品は65作品で、そのうち20作品が本大会に進んだ。本大会には、20作品に加えて、マレーシアの大学の作品が加わっている。自由部門と課題部門については、作品の発表に加え、実動作の展示、操作方法を記したマニュアルが審査の対象となる。複合的な指標を設けることで、将来的な商品開発やプロモーションに役立てる狙いがある。

 競技部門では、八戸高専が優勝した。準優勝は東京の都立高専、第3位は香川高専(高松キャンパス)だった。特別賞は、旭川、沖縄、大阪府大の3高専が受賞した。

 課題部門の最優秀賞は、東京高専の「ホップ!ステップ!マップ!」と呼ぶ、小学校の安全活動支援システムが獲得した(写真3)。小学校の授業で行われる、学校近辺の危険物を発見して地図上に示し共有する作業を、Androidタブレット端末上で実現するものである。

写真3●東京高専の「ホップ!ステップ!マップ!」(左と中央)、鈴鹿高専の「ダレカタスケテー」(右)
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●東京高専の「ホップ!ステップ!マップ!」(左と中央)、鈴鹿高専の「ダレカタスケテー」(右)
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●東京高専の「ホップ!ステップ!マップ!」(左と中央)、鈴鹿高専の「ダレカタスケテー」(右)
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●東京高専の「ホップ!ステップ!マップ!」(左と中央)、鈴鹿高専の「ダレカタスケテー」(右)

 優秀賞は、鈴鹿高専のソーシャルメディアを活用した救援通知システム「ダレカタスケテー」が獲得した(写真3)。