画面●個人番号を誤記載した住民票を発行した経緯と対応を説明する取手市のWebサイト
画面●個人番号を誤記載した住民票を発行した経緯と対応を説明する取手市のWebサイト
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 茨城県取手市は2015年10月13日、個人番号(マイナンバー)を誤って記載した住民票を交付したと公表した(画面)。69世帯100人に影響があり、13日夜9時時点で43世帯60人が既に外部に手渡しているという。原因はベンダーが自動交付機発行システムの設定を誤ったことだが、市も確認しなかったという。

 10月5日から9日まで市内2カ所にある自動交付機で発行した住民票に個人番号を誤って記載した。10月9日に市民からの連絡で判明した。

 システム上は自動交付機で発行した住民票に個人番号を記載できるが、取手市では「一律に記載しない仕様としていた」(市民課)。自動交付機には、自動交付機では個人番号を記載した住民票を発行できないため、窓口で発行するように案内を掲示していたという。

 市は10月5日から住民票に個人番号欄を設けた。準備として、市の電算業務委託業者である茨城計算センターが10月3日にシステムを設定した。その際、個人番号を記載しないこととする設定を漏らし、10月5日に市民課も作業内容を確認しなかった。「3日に設定した住民基本台帳システムは正しく設定できていることを確認して安心してしまった。自動交付機発行システムも正しく設定できているだろうと考え、確認しなかった」(市民課)。

 市は10月9日午後2時過ぎに自動交付機を停止。同社が正しい設定を施して午後2時30分ごろに復旧させた。影響のあった69世帯には市の職員が訪問して謝罪、正しい住民票を渡したという。3世帯5人からは個人番号の変更が申し出されており、県とも協議して市は応じる方針。ただ個人番号を記載した通知カードは14日に一斉に発送するため現在の番号が記載される。

 市民課は「確認できているわけではないが、おそらく自治体が関わる個人番号のトラブルは初めてではないか」と話す。総務省からは交付機システムの設定を再度確認するように言われたという。市は「今後このような事態の発生がないようにチェック機能を一層強化し、再発防止に努めてまいります」としている。