警視庁は2015年10月13日、厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐を務める男性を収賄容疑で逮捕した。日本経済新聞などが報じた。日経コンピュータの取材に対し、同室は逮捕の事実を認めた。

 同室の説明や報道を総合すると、室長補佐は2011年に、当時導入準備中だったマイナンバー制度に関連した社会保障分野のシステム構築事業の企画コンペに関わった。この時に、あるコンサルティング企業に便宜を図り、現金約100万円を受け取った疑いがある。当該事業は結局この企業が厚労省から受注した。贈賄側については、公訴時効が成立しているという。

 室長補佐は当時から現在まで一貫して、マイナンバー制度関連を含む社会保障分野における情報化政策を担当していた。特に医療情報に詳しく、2014年6月に日本医療情報学会のシンポジウムに登壇するなど、対外的な情報発信にも積極的だった(関連記事:マイナンバーはどこまで使えるのか、医療情報は特別扱いにすべき?)。