富士通は2015年10月6日、汐留本社で新製品発表会を開催し、スマートフォンやPCなど同社がユビキタスプロダクトと位置付ける製品の新モデルを一挙発表した。

 発表会には、富士通 執行役員 パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏が登壇。同社の事業について、「ICTの活用は屋内から屋外へ広がり、在宅勤務などワークスタイル変革も進んでいる。マイナンバー制度、IoT、自動運転などにおいても、富士通のセキュリティやヒューマンセントリック技術を推進していく」との立ち位置を示した(写真1)。

写真1●富士通 執行役員 パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏
写真1●富士通 執行役員 パーソナルビジネス本部 本部長の竹田弘康氏
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 富士通が最も重視しているというセキュリティについては、「不正侵入や情報流出事故などに共通する要素が、デバイス紛失などのヒューマンエラーだ」(竹田氏)と指摘する。

 これらに対して企業の情報システム部門はパスワードの更新や持ち出し管理を強化することで対策しているが、「従業員はもっとデバイスを自由に活用し、効率を上げたいと考えている。この相反する要求に対応するのが、虹彩認証やリモート消去などの技術だ」(竹田氏)と説明。富士通のテクノロジーによる「いつでもどこでも安心・安全」という使い勝手を、あらゆる製品に提供していくとのビジョンを示した。

静脈認証を推進、富士通社内にも大規模導入へ

 法人向けPCについては、「手のひら静脈センサー」による生体認証と、対応ソフトの「SMARTACCESS」を組み合わせて提供。BIOSやアプリのパスワード入力を代替し、マイナンバー制度の施行に合わせて多くの会計ソフトにも対応できるとした。

 生体認証の導入事例としては、福島市役所の事例を挙げた。「ワークスタイル変革を目的に、1500台のARROWS Tab Q775/Kを全職員に配布した。ペーパーレスを推進し、静脈認証で情報漏えいのリスクも低い」(竹田氏)と紹介した(写真2)。

写真2●福島市役所が静脈認証タブレットを導入
写真2●福島市役所が静脈認証タブレットを導入
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