ビッグデータ分析を手掛けるギックスは2015年10月、同社の分析サービス「graffe(グラーフ)」で使用しているプラットフォームを他社にライセンスする事業を始めた。分析のシステムを持たない企業でも、高度なデータ分析をサービスとして提供できるようになる。

 graffeは、ギックスが培ったノウハウを実装した半自動のデータ分析代行サービス。顧客企業は、自社が有するID-POSや商品マスタなどのデータを投入すると、事業構造や現状の課題を示す分析レポートを受け取れる。分析のためのデータ成形(クレンジング)にあまり手間がかからず、20億行でも数日で分析できるなど速いことが売りの一つだ。

 これまでギックスは、graffeを自社のサービスとして顧客に直接提供してきた。今後は、データ分析をベースにした事業を始めたい企業に対し、graffeエンジンをライセンスする。ライセンス先として想定しているのは、POSベンダー、広告代理店、食品卸、食品メーカー、SIer、ソフトウエア企業、総合商社、業界コンソーシアムなど。ライセンスを受けた企業・団体は、それぞれの顧客に対して業界特有のカスタマイズを施すなどしてgraffeを利用したデータ分析サービスを提供できるようになる。

 ライセンスの内訳は、事業企画/コンサルティングで2000万円、マーケティング支援費として月額250万~500万円、graffe運用費として月額500万~1000万円。graffeエンジンはクラウド上に実装したサービスだが、3000万~5000万円でオンプレミス環境への構築も請け負う。