超高速開発の認知度向上やノウハウ共有を目指す業界団体「超高速開発コミュニティ」は2015年9月30日から10月2日にかけて東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2015」において、会員会社9社が共同でブースを出展した。商談の場ではぶつかることもある9社。ITpro EXPOの会場ではそれぞれの社員が、超高速開発を意味する「xRAD」をあしらい、青色で染め抜いたそろいの法被を羽織って、超高速開発というキーワードの普及に努めた(写真1)。

図1●そろいの法被をまとった、超高速開発コミュニティのブースに出展した9社のメンバー
図1●そろいの法被をまとった、超高速開発コミュニティのブースに出展した9社のメンバー
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図2●ブースの直上に出ていた、会場のどこからでも見える「超高速開発」の看板
図2●ブースの直上に出ていた、会場のどこからでも見える「超高速開発」の看板
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 呉越同舟ともいえる9社がそろいの法被をまとったアイデアについて、超高速開発ツール「Wagby」を提供するジャスミンソフトの贄良則は次のように話した。「個々の製品名ではなく、超高速開発というキーワードがまず一点突破で認知されることが先決。それぞれの製品や開発サービスにおけるビジネスは、その後に着いてくる」。ブースの頭上には「超高速開発」と書かれた釣り看板が掲げられ、会場のどこからでも見ることができ、集客に一役買ったようだ(写真2)。

 スマホやタブレット向けの自社製ツール「MicroWebServer」やWagbyを使った超高速開発サービスを提供するソフトウェア・パートナーの滝澤好道営業企画部マネージャーは「訪問者が熱心に耳を傾けてくれた」と話す。ワークフローを数分で開発できる「コラボフロー」を提供するコラボスタイルの松本洋介社長は「訪問者が絶えなかった」と出展の手ごたえを語った。

 特別なプログラミング知識がなくてもエクセルで業務システムを簡単に作れる「StiLL」を4000社に導入してきたアイエルアイ総合研究所の内藤慶一代表取締役は「利用部門の味方をしてくれる唯一のツールをもっと広めるいい機会」とした。生産管理システムやERPソフトのように複雑な基幹系システムを超高速開発できる「TALON」を提供するHOIPOIの古関雄介代表取締役は「製造業のシステムを10年以上受託開発してきた経験を基にTALONを作った。「データベース設計はあえてブラックボックスにせずにユーザーに任せて、バランスを取っていることがポイントのツール」と説明した。

 このほか、ウルグアイのアルテッチが提供する超高速開発ツール「GeneXus」を使ってパナソニックなどのシステムを構築してきたウイングは、この7月に販売を開始した自社製の超高速開発ツール「MagicLogic」を展示。SCSKは既に証券会社などで採用が進む自社製の超高速開発・実行基盤「FastAPP」をアピールした。日本コンピュータ・ダイナミクスとパルシスはそれぞれWagbyを使った超高速開発サービスなどを紹介した。