写真1●ゲストとして登壇した、タレントの藤田ニコルさん
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写真2●「にこるん賞」を受賞した、ブリリアントサービス ものづくり同好会の田中雅也さん(左)と金田浩明さん
写真2●「にこるん賞」を受賞した、ブリリアントサービス ものづくり同好会の田中雅也さん(左)と金田浩明さん
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写真3●「グランプリ」を受賞した大槻正樹さん
写真3●「グランプリ」を受賞した大槻正樹さん
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写真4●表彰式に駆け付けた受賞者の皆さん
写真4●表彰式に駆け付けた受賞者の皆さん
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 日経BP社の月刊誌「日経Linux」と「日経ソフトウエア」は2015年10月2日、東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2015」内のメインシアターで、「『みんなのラズパイコンテスト2015』受賞作品発表会」を開いた。同コンテストは、5000円程度で購入できる小型PCボード「Raspberry Pi」を用いた電子工作やアプリケーションなどを競うもの。アイデアの段階で応募することも可能だ。

 第2回となる今回は、100件以上の応募の中から、グランプリから優良賞まで計35作品が受賞。この発表会ではそのうち15作品を写真などで解説した。解説は、審査や運営を担当した日経Linuxの森重和春編集長、安東一真副編集長、日経ソフトウエアの久保田浩編集長の3名。ゲストとして、イメージキャラクターを務め、「にこるん」の愛称で親しまれている、タレントの藤田ニコルさん(写真1)が登壇した。

 「最初、ラズパイはお菓子のことだと思っていた」というニコルさんが「にこるん賞」として選んだのは、「見たい場所をつぶやいて開く『どこでも(見える)ドア』」(写真2)。ドアノブを握って見たい場所をつぶやいてから開くと、Googleストリートビューでその風景を見ることができるデバイスだ。ニコルさんは「最近忙しくて行きたいところに行けていなかったのですが、この作品を見たら『行けるんじゃないか』という気になり、とても癒されました。作品名もかわいくて良かったです」と選考理由を語った。受賞者代表の金田浩明さんは「1カ月前から仕事の合間に作り始めた。大勢のメンバーで楽しく作ることができた」と振り返った。

 最優秀作となる「グランプリ」には、大槻正樹さんの「天体を静止画として長時間撮影できる装置」が選ばれた。通常、夜空を長時間露光すると、星は地球の自転で流れて線のように写る。このシステムでは、補正用望遠鏡に取り付けたWebカメラの映像をRaspberry Piに入力し、星の位置がずれていたら赤道儀を補正する仕組みによって、静止状態で撮影できるようにした。審査会では、「メカもソフトウエアもレベルが高く、文句なしにグランプリに決まった。赤道儀を制御をするボードを自作し、画像認識技術を使うなど、よく作り込まれていた。撮影した写真も非常にインパクトがあった」(森重編集長)点が評価された。受賞について大槻さんは「普段は富士山に星の写真を撮りに行きます。(製作中は)富士山でデバッグのコードだけ見て帰るという悲しいこともしていましたが、報われてよかったと思います」とコメントした(写真3)。

 発表会の後には、表彰式も開催。会場に駆け付けた4組の受賞者に賞品が手渡された(写真4)。「車内用Twitter連携CO2管理ぬいぐるみ型ロボット」で「学生賞」を受賞した大学院生の川隅恭介さんは、「応募締め切りの1週間前に教授に応募しろと言われました。成果が出て良かったです」と喜びを語った。また、「ペットの排泄お知らせ“ワン出フル”」でアイデア賞を受賞したWeekendプロジェクト代表の濵迫清美さんは、「Weekendプロジェクトは、最近活動が停滞していたので、受賞を機にまた盛り上げていきたい」と、今後の抱負を述べた。

 受賞作品の詳細は、関連記事、および10月8日発売の日経Linux 11月号、10月24日発売の日経ソフトウエア12月号で解説している。