写真1●「極言暴論ライブ」を展開する日経コンピュータ編集委員の木村岳史
写真1●「極言暴論ライブ」を展開する日経コンピュータ編集委員の木村岳史
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写真2●「極言暴論ライブ」会場の様子
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 日経コンピュータ編集委員の木村岳史は2015年10月1日、東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2015」会場内で「極言暴論ライブ」と称して講演した(写真1)。ITproの連載コラム「木村岳史の極言暴論!」のライブ版に当たる。

 木村は「名だたるITベンダーがすばらしい展示をしているこの場所で、ITベンダーを批判するような話をするのはとても緊張する」と言いつつ、30分にわたって独演を繰り広げた。

 木村は「世の中がデジタルビジネスの時代になっているのは間違いない。改革が最も遅いはずの金融機関まで『FinTech』と言い出して、デジタルビジネスの流れに乗ろうとしている。IoT(Internet of Things)も当初は“バズワード”だと言われたが、今や実ビジネスに入り込み始めている」と述べた。

 そのうえで、「SIer」と俗称される既存のITベンダーや、金融機関や製造業などの社内IT部門の改革が遅いことを指摘。「IT部門は『基幹系システムには枯れた技術を使わなければならない』とよく言う。金融機関ではCOBOL言語で作られた古いシステムの保守に年間何百億円も費やすようなこともある。こんなことを続けていては、デジタルビジネス時代に対応しなければならないビジネス部門は、既存のIT部門を無視して、“第二IT部門”を作るか、社外のITベンチャーと組むようになるのは必至だ」と強調した。

 「FinTech」の流れについても、「一般には、大手金融機関がITベンチャーと連携する動きだと見られがち。だが、私の目から見れば、金融機関の心ある経営者が既存のIT部門に愛想をつかして、外部のITベンチャーを“第二IT部門”に見立ててデジタルビジネスに乗り出す動きのように見える」と話した。FinTechを引き合いに出しつつ、保守的なIT部門やSIerは長く生き残れないという持論を重ねて強調した。

 講演会場の「メインシアター」はほぼ満席で、立ち見する来場者もいた(写真2)。木村の“暴論”に対して、うなずく人、首をかしげる人、険しい表情を見せる人など、反応は様々だった。