2015年9月30日から10月2日まで東京ビッグサイトで開かれている「ITpro EXPO 2015」の2日目となる10月1日、「技術革新を真の成長につなげるカギとは マツダとリクルートのIT戦略担う2人が討論」と題した基調講演が開催された。パネリストとして、マツダ ITソリューション本部本部長の大澤佳史氏、リクルートテクノロジーズ代表取締役社長の中尾隆一郎氏の2人を迎え、「ITを活用したビジネス変革」と「人材のダイバーシティ」という二つのテーマについて各社の取り組みなどを披露した(写真1、写真2)。

写真1●2日目の基調講演は「技術革新を真の成長につなげるカギとは マツダとリクルートのIT戦略担う2人が討論」(撮影:菊池 一郎)
写真1●2日目の基調講演は「技術革新を真の成長につなげるカギとは マツダとリクルートのIT戦略担う2人が討論」(撮影:菊池 一郎)
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写真2●パネリストは、マツダ ITソリューション本部本部長の大澤佳史氏(左)、リクルートテクノロジーズ代表取締役社長の中尾隆一郎氏(右)(撮影:菊池 一郎)
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写真2●パネリストは、マツダ ITソリューション本部本部長の大澤佳史氏(左)、リクルートテクノロジーズ代表取締役社長の中尾隆一郎氏(右)(撮影:菊池 一郎)
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写真2●パネリストは、マツダ ITソリューション本部本部長の大澤佳史氏(左)、リクルートテクノロジーズ代表取締役社長の中尾隆一郎氏(右)(撮影:菊池 一郎)

 モデレーターを務めた日経コンピュータ/ITproの吉田琢也発行人(写真3)はパネルディスカッションの冒頭で、日本を代表する企業のCIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)が集まり、今後のビジネスなどについて話し合う「ITpro EXPO 2015 ステアリング・コミッティ」の取り組みを紹介。同コミッティに参加した大澤氏、中尾氏に感想を求めた。

写真3●モデレーターを務めた日経コンピュータ/ITproの吉田琢也発行人(撮影:菊池 一郎)
写真3●モデレーターを務めた日経コンピュータ/ITproの吉田琢也発行人(撮影:菊池 一郎)
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 大澤氏は、「多くの企業が現状のビジネスに対して危機感を持っており、もっとICTをうまく活用しなければならないという意識を共有できたのが印象的だった」と振り返った。中尾氏は、「日本企業は今まで危機感を持ちながらも実際に変われないことが少なくなかった。ただし昨今の変革への機運は非常に強いものがある」と語る。吉田発行人は、「今は歴史上に類を見ないほど、ビジネスの大変革期を迎えている。ITがその大きな要因」という見解を示したうえで、「経営者やCIOは、ITがもたらす破壊的インパクトに向き合わなければならない」と指摘した。

新技術のコストが安価になった

 ITによるビジネス変革の波が世界中で生じているのはなぜか。大澤氏と中尾氏は、新しい技術を採用するためのコストが大幅に下がり、その敷居が下がったことが大きな理由との認識で一致する。