米Appleは2015年9月30日、中国で音楽ストリーミングサービス「Apple Music」と、iTunes Storeにおける映画の販売/レンタル「iTunesムービー」、電子書籍アプリ「iBooks」の提供を始めたと発表した。

 Apple Musicでは、Eason Chanなど中国で人気のあるアーティストや、米国の人気歌手の楽曲など、合計数百万曲を用意するという。「中国の顧客は初めてAppleのエンターテインメント・エコシステムにアクセスできるようになる」と同社は述べている。

 Apple Musicは同社が今年2015年6月30日に米国や日本を含む世界100カ国以上で始めたサービス。中国におけるApple Musicの料金は、個人メンバーシップが1カ月10元(1.57米ドル)、家族6人まで利用できるファミリーメンバーシップが15元(2.36米ドル)。Appleがほかの国で提供しているサービスと同様、中国でも当初の3カ月は無料のトライアル期間を設ける。

 iTunesムービーではハリウッド映画のヒット作品のほか、中国の映画スタジオの作品も提供する。iBooksの電子書籍配信サービス、iBooks Storeでは同国大手出版社の書籍を販売するほか、無料の書籍も取りそろえる。このうち映画の料金は、購入が1作品18元(2.83米ドル)から、レンタルが同5元(0.79米ドル)から。また電子書籍の販売価格は0.5元(0.08米ドル)からとなる。

 なお、Apple Musicの料金は、米国では個人メンバーシップが1カ月9.99ドル(日本では980円)、ファミリーメンバーシップが同14.99ドル(日本では1480円)。こうした料金設定の違いについて、「Appleは国によって異なる価格戦略をとっている」と米CNETは報じている。例えば、インドでは個人メンバーシップが1カ月120ルピー。これを現在のレートで米ドルに換算すると1.83ドルになる。またシンガポールの個人メンバーシップの料金は9.98シンガポールドル(7米ドル)となっている(関連記事:Apple Musicの月額料金は国によってまちまち、インドではわずか1.89ドル)。

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