写真●EMAIL AUDITORの概念パネル
写真●EMAIL AUDITORの概念パネル
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図●EMAIL AUDITORによって抽出できる、不平不満や情報漏えいメールのサンプル
図●EMAIL AUDITORによって抽出できる、不平不満や情報漏えいメールのサンプル
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 SCSKは2015年9月30日、情報漏えいなどにつながる不適切なメールをAI(人工知能)技術を使って抽出するメール監査ソフト「Lit i View EMAIL AUDITOR」を、ITpro EXPO 2015で展示した(写真)。開発会社はUBICで、SCSKは2015年5月に取り扱いを始めている。価格は、1000メールアドレスの場合で、1メールアドレス当たり年額1万円程度。SCSKの展示ブースは情報漏えい対策に関連した製品群を主に展示している。中でもAIを活用しているEMAIL AUDITORが、高い注目を集めていた。

 EMAIL AUDITORは、情報漏えいにつながる重要なメールを、人間になり代わってAIが抽出してくれる()。日々のメールが正しく運用されているかどうかを日常的にチェックする“メール監査”の業務に利用する。従来は、指定したキーワードに合致するメールを抽出して調べていたため、メールが大量にあると作業負荷が大きく、キーワードの再調整などにも手間がかかっていた。EMAIL AUDITORでは、AIが自動的にメールをスコアー化するので、高いスコアーのメールから内容を調べればよく、監査の手間がかからない。キーワードの設定やメンテナンスも必要ない。

 メールは、「カルテル」「情報漏えい」「ハラスメント」などのカテゴリーごとに分類し、該当するメールを抽出してスコアー化する。要素技術としてテキストマイニングを利用する。文章を言語の品詞レベルまで分解し、対象者間でどのような言葉を、どのような組み合わせで使用しているかを分析するという。利用にあたっては、まずはサンプルを学習させる。運用が始まってからは、AIによってスコアー化したメールに対して「該当する/しない」を人間が目視で評価することで、評価結果を再学習させる。これにより、運用しているだけで日々精度が向上していく。