写真●PowerNFVの外観
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画面●Intel DPDKとPowerNFVの性能比較データ
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 アルチザネットワークスは、2015年9月30日から10月2日にかけて東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2015」において、ネットワーク機器の機能を汎用PCサーバーと仮想サーバー技術で実現するNFV(ネットワーク機能仮想化)のIPパケット処理をオフロードしてデータ転送性能を高めるハードウエアアクセラレーター製品「PowerNFV」(写真)を参考展示した。展示したのは現行モデルだが、現在開発中の次期モデルを2016年6月をめどに販売開始する。

 PowerNFVは、PCサーバー機のPCI Expressバスに装着することによって仮想サーバーのネットワーク処理性能を高めるアクセラレーターカードである。個々の仮想サーバーからはvNIC(仮想NIC)として認識され、データプレーン処理をオフロードする。イーサネットフレームやIPパケットの転送、TCP/IP処理、IPsecやSSLの暗号化/復号処理、などを代行する。サーバーのCPUに負荷をかけずにパケットのリアルタイム監視もできる。

 ネットワーク機能のツールキットであるIntel DPDK(データプレーンデベロップメントキット)との性能比較では、おおむね10倍のスループット性能が出せるとしている。データ処理がメインの場合、単純に言えばサーバー台数を10台から1台へ削減できることになる。展示ブースでは、Intel DPDKとPowerNFVの性能を評価した結果を資料として提示している(画面)。

 展示しているのは現行モデルであり、米タイレラのメニーコアプロセッサー(72コア/36コア/16コア)を採用している。この現行モデルで利用できるサーバー仮想化ソフトは、KVMに限られる。価格は非公開で、オーダーがあれば販売できるが、本格的にはまだ売っていないという。

 現在開発中の次期モデルは、FPGAを採用したものになる。2016年3月頃に評価版を出荷し、2016年6月をめどに広く販売開始する。次期モデルでは、サーバー仮想化ソフトとしてKVMだけでなくVMware ESXとHyper-Vも使えるようにする。次期モデルの価格は「高くて50万円、いずれは20万円から30万円くらいにしたい」(説明員)。