写真1●Surface Hubの“基本パターン”のデモ
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写真2●Surface Hubを使った設備保守業務での緊急対応のデモ
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写真3●Surface Hubを使うマンション販売の商談現場のデモ
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 日本マイクロソフトは2015年9月30日、東京ビッグサイトで開催中のITpro EXPO 2015会場で、同社史上最大のハード製品である「Surface Hub」の実機デモを公開した。これまで、同社やパートナー企業のプライベートセミナーでは紹介してきたが、公の場で披露するのは今日が初めて。

 Surface Hubを一言で説明すると、Windows 10 Team搭載、Skypeが使える電子黒板といったところ。ディスプレイは、84インチの4K液晶(参考価格237万4059円)と55インチフルHD液晶(同83万949円)の2種類がある。デモでは84インチの機種を使って、3パターンのデモを見せた。一つは、Skypeを使ったWeb会議でホワイトボードやExcel、PowerPoint、Wordなどのファイルを共有する“基本パターン”で、アプリを含め、Surface Hubの標準機能だけで実現できる(写真1)。

 二つめのデモは、設備保守業務における緊急対応というシナリオによるもの。現場の担当者が発見した建物の破損部分を撮影してAzure上のデータベースにアップロード。それを社内のSurface Hubを介して関係者が共有しながら、対策を協議する(写真2)。三つめは、マンション販売の商談現場。マンションの部屋に足を踏み入れたかのようなシミュレーション動画で、顧客の好みの内装を見せたり、高層階からの眺めを見せるなど、大画面が威力を発揮しそうな場面だ(写真3)。

 デモを担当した同社マイクロソフトテクノロジーセンターの鈴木敦史エバンジェリストによれば、9月3日の国内発表以降、60社以上の企業が同社を訪問し、Surface Hubの紹介セミナーを受けたという。「発表前にも多くの企業が訪れていたが、発表以降は役員クラスや経営層の参加が増えた」と鈴木氏。

 鈴木氏によれば、Surface Hubに寄せられるニーズは大きく二つある。「SkypeやOffice 365を既に使っているが、さらにコラボレーションを活性化、効率化したい」という企業と、「SkypeやOffice 365は使っていないが、複数拠点にSurface Hubを置いて会議や情報共有ができるようにしたい」という企業である。電子黒板を検討中だったが、Surface Hubが登場したので選択肢に加える企業も増えているという。

 Windows 10搭載機なので、Windows Marketplaceで入手したWindows 10アプリがいくつも動くという。例えば、ブロックを空間に自由に配置するゲーム「マインクラフトを84インチの大画面で動かしたら大迫力だった、という話もある。ただし、幅2メートルを超える画面の隅々までタッチしたりスワイプしたりするような動きは現実には難しいので、タブレット向けのアプリが必ずしもそのまま使えるわけではない。

 同社は今後、広く開発者を対象としたSurface Hubアプリ開発セミナーの開催を予定している。「実機に接すると、どんどん新しい使い方を試したくなる製品。まだ具体的な計画になってはいないが、Surface Hubの活用アイデアを出し合うハッカソンのようなイベントも開催できたら面白いと考えている」と鈴木氏は語る。

 米国では出荷の延期が報じられたSurface Hubだが、国内での出荷予定には今のところ変更はなく、2016年1月となっている。内田洋行、大塚商会、ソフトバンクの3社を通じて販売する。

■変更履歴
記事公開時、タイトルで「Surface Pro」としていましたが「Surface Hub」の誤りです。お詫びして訂正します。 [2015/09/30 13:50]