図1●コンポーザブル・インフラストラクチャの概要
図1●コンポーザブル・インフラストラクチャの概要
[画像のクリックで拡大表示]
写真1●日本ヒューレット・パッカードエンタープライズグループ事業統括HPサーバー製品統括本部の橘一徳統括本部長
写真1●日本ヒューレット・パッカードエンタープライズグループ事業統括HPサーバー製品統括本部の橘一徳統括本部長
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●HPサーバー製品統括本部エンタープライズサーバービジネス開発部の中井大士部長
写真2●HPサーバー製品統括本部エンタープライズサーバービジネス開発部の中井大士部長
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●アプライアンス製品「ConvergedSystem 250-HC StoreVirtual」
写真3●アプライアンス製品「ConvergedSystem 250-HC StoreVirtual」
[画像のクリックで拡大表示]

 日本ヒューレット・パッカードは2015年9月29日、統合管理ソフトウエアの新版「OneView 2.0」、クラウドソリューション「Helion CloudSystem 9.0」、アプライアンス製品「ConvergedSystem 250-HC StoreVirtual」を発表した。同社が推進する業務システムのコンセプト「コンポーザブル・インフラストラクチャ」向けの製品。9月29日から販売開始する。

 コンポーザブル・インフラストラクチャは、ヒューレット・パッカードが2015年6月に米国で発表したコンセプト。システムを構成するハードウエアの全てをリソースプール化して、そこからワークロードに応じたリソースを切り出すことで、最適なITインフラを迅速に用意できるようにする、というものだ(図1)。

 具体的には、サーバー、ストレージ、ネットワークの機器群を用意しておき、用途に応じてサーバー製品の種類や数、ストレージの構成・容量、ネットワーク帯域などを指定して一つのシステムとして利用する。「ITインフラの用意からサービスを開始するまでの時間を大幅に短縮できるようになる」(日本ヒューレット・パッカードエンタープライズグループ事業統括HPサーバー製品統括本部の橘一徳統括本部長、写真1)。

 ヒューレット・パッカードでは、コンポーザブル・インフラストラクチャについて「フェーズ1」から「フェーズ4」までのロードマップを持っており、今回の発表は最も初期の段階のフェーズ1に当たる。

フェーズ1で注力したのは「ソフトウエアの環境整備」(同社HPサーバー製品統括本部エンタープライズサーバービジネス開発部の中井大士部長、写真2)だ。以前からあるOneView、Helion CloudSystemを機能拡張し、コンポーザブル・インフラストラクチャを実現する新たなバージョンとして投入した。

 OneViewは、ITインフラ管理の自動化ツール。2.0の大きな特徴は「Unified API」を実装したこと。これにより、Helion CloudSystemやインフラ設定ツール「Chef」などで、ソフトウエアだけの導入、設定だけでなくOneViewを通じたヒューレット・パッカード製ハードウエアのセットアップもできるようになった。

 Helion CloudSystem 9.0は、OneViewのバージョンアップに合わせて連携を強化したほか、OpenStackの新しいバージョン(2014年10月にリリースされたJuno)を採用した。仮想環境のサポートを拡大して、マイクロソフトの「Hyper-V」ノードにも対応した。可用性も向上させたという。

 同時に投入したConvergedSystem 250-HC StoreVirtualは従来製品の改良版だ(写真3)。2Uサイズに4ノードを搭載しており、1ノード当たり2個のCPU、128G~512Gバイトのメモリーを備える。アプライアンス製品ながら、CPUのコア数やストレージの構成を選択(HDDのみか、HDD/SSDのハイブリッド)できるようにした点が特徴だ。

 OneView 2.0の希望小売価格(税別、以下同じ)は7万9000円から。Helion CloudSystem 9.0は「Helion CloudSystem Foundation 10OSインスタンスライセンス」が19万9000円。ConvergedSystem 250-HC StoreVirtualは1707万6000円から。

 このほかサービスとして新たに「データセンターケアインフラストラクチャオートメーション(DC-IA)」「フレキシブルキャパシティ」を提供する。DC-IAはサポートサービスの一種。Chefのエンタープライズ版の提供やIT自動化に関するアドバイスなどが受けられる。2015年12月に提供を始める。フレキシブルキャパシティは、ITインフラを従量課金で提供する仕組み。2015年11月に提供開始する。