福岡県の宗像市は2015年9月28日、V-Lowマルチメディア放送を活用した災害情報配信(V-ALERT)を全国で初めて試験的に導入開始したと発表した。開始時期は2015年9月11日。対象地域は、宗像市三郎丸地区の土砂災害警戒区域で、対象世帯数は87世帯である。

 これまで、防災行政無線の拡声子局からの情報配信では、豪雨の際に家の中では聞こえないといった事象が発生し、土砂災害に対しての効果的な情報伝達手段が望まれていたという。今回のV-ALERTを活用することで、警戒区域に配布した防災ラジオに対して情報配信が実現できることが期待されるとする。宅内設置の端末を利用できるので、豪雨時でも家の中まで情報を伝えることが可能になる。

 宗像市では今後、この試験導入の結果を受けて他の土砂災害警戒区域にもV-ALERTを活用する範囲を広げる検討を進める予定。

 加賀電子は、V-Lowマルチメディア放送を活用した災害情報配信(V-ALERT)を宗像市が試験的に導入開始することにともない、同社子会社の加賀ハイテックから発売している防災ラジオ(MeoSound VL1)が受信専用ラジオとして採用されたと発表した。

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