写真1●Linked Open DataチャレンジJapan2015のキックオフシンポジウム
写真1●Linked Open DataチャレンジJapan2015のキックオフシンポジウム

 2015年10月からオープンデータの普及を目指したコンテスト、Linked Open DataチャレンジJapan2015が開かれる。このコンテストの開始に先立って、2015年9月26日、東京・三田の慶應義塾大学で、コンテストの詳細説明を含むキックオフシンポジウムが開かれた(写真1)。

 このコンテストは、慶應義塾大学や富士通など産学の有志が連携して実行委員会を結成し、2011年から毎年実施している。ここ数年は200件以上、作品の応募があり、オープンデータに関するコンテストでは国内最大規模となる。

 今回のコンテストで募集するのは全5部門の作品。オープンデータの活用に関する「アイディア」、活用対象となるデータそのものを作り出したり加工したりする「データセット」、データ活用のための「アプリケーション」や「基盤技術」、データを視覚的に表現することで気づきを得やすくする「ビジュアライゼーション」だ。

 募集期間は2015年10月1日から2016年1月17日まで。3カ月余りの期間を設けるのは、応募した作品を使った新たな作品も受け付けられるようにするためだ。応募者同士の連携が生まれることも期待している。

 5回目となる今回のコンテストの特徴は、作品を作る基になるデータソースの多さ。総務省統計局や国立国会図書館のほか、Q&Aサイト「教えて!goo」、グルメ情報サイトの「ぐるなび」、東急沿線情報サイト「とくらく」など、民間企業を含めて17程度の団体が提供する。

 コンテストの実行委員長である慶應義塾大学の萩野達也環境情報学部教授は、「生活に身近なデータも利用できるようになっているので、ちょっとしたアイデアを形にしてもらいたい。かつてのコンテストでは、京都の図書館の職員が、京都が出てくる小説などのデータを作った。これが京都の観光案内に活用される動きも出てきている」と話す。

 また今回のコンテストでは、作品の募集期間中に、作品完成を目指してアイデアや技術を持ち寄ってサービスなどを開発するイベントである「ハッカソン」も開催する予定だ。「アイデアを持つ人がハッカソンに参加してもらえれば、技術に詳しい他の参加者と一緒になって、アイデアを実現できる」と、萩野教授は説明する。