データセンター事業などを手掛けるテコラスは2015年9月25日、日本企業が中国のEC最大手「Tmall(天猫)」で自社商品を販売できるようにするサービスを始めた。日本企業は国内にいながらTmall上に商品を出品したり、自社のネット店舗をTmall上に開設したりできる。規模が日本の6倍で今後も高い成長を見込める中国EC市場を皮切りに、国境を越えた「越境EC」事業を拡大する。

 Tmallは中国の大手IT企業グループのアリババグループ(阿里巴巴集団)が運営する電子ショッピングモール。テコラスは、中国に販売拠点を持たない外国ブランド商品のネット店舗を集めた「Tmall Global(天猫国際)」向けの出品や出店を仲介する。同社は韓国の総合ネット大手NHNのグループ企業で、旧ライブドアの「データホテル」事業などを引き継いだ。

 具体的なサービスは二種類。まずテコラスが日本企業の商品を買い取ってTmall Global上で販売する。初期費用・月額費用ともに無料で、商品在庫はテコラスが保有するため、日本企業には在庫リスクがない。

 前提としてテコラスは、日本企業が出品を希望する商品の市場ニーズや競合商品の動向、供給能力などを分析する。結果を基に出品の可否や買い取り価格、販売価格を決める。

 もう一つのサービスは、日本企業自身のネット店舗をTmall Global上に開設するための出店支援だ。同社は日本企業向けに、ECの商品管理や受注管理といった店舗運営サービスを提供している。加えて同社グループにはTmall Globalへの出店代行事業で実績を持つ企業がある。こうした知見を生かして、日本企業の出店を支援する。

 当初の対象商品は化粧品や健康食品。子供用品などへ、対象を順次広げる。今後はTmallに次ぐ中国EC大手「京東商城」にも出店できるようにする。1年後をメドに、Tmall Globalへの出品代行事業で月間100万人民元(約1900万円)の売り上げを目指す。