米IBMは現地時間2015年9月24日、コグニティブコンピューティング事業「Watson」の強化について発表した。米カリフォルニア州サンフランシスコに新たな重要拠点を構える。

 IBMは、同社の専門家がコグニティブコンピューティングの新たな展開に取り組むための施設をサンフランシスコのサウスオブマーケット(SoMa)に新設する。コマース事業部門IBM Commerceの本拠も同施設に置き、Watsonと小売事業者および消費者製品メーカー向けソリューションとの統合を進める。新施設は2016年の早い時期にオープンする見込み。

 Watson事業は米ニューヨーク市のマンハッタンに本社があり、SoMaの新施設は、従来の東海岸本社に対して西海岸本社という位置づけになる(米New York Timesの報道)。

 またIBMは、Watson関連の新たなAPIや開発ツールの提供についても明らかにした。ソーシャルメディアで共有された画像や映像を解釈するAPI「Visual Insights」のほか、自然言語の質問や曖昧な表現をより正確に理解するための各種API、複数言語に対応した音声アプリケーションを開発するための強化版APIを公開する。機械学習およびテキスト解析技術を統合した開発ツール「IBM Watson Knowledge Studio」は、年内にベータ版を招待制で利用可能にする。

 IBMによると、すでに100社以上のパートナーが、Watsonの技術を利用したアプリケーションやサービス、製品を市場に投入済みという。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]