写真●日本取引所グループ傘下の東京証券取引所は新株式売買システムを稼働させた
写真●日本取引所グループ傘下の東京証券取引所は新株式売買システムを稼働させた
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 日本取引所グループ傘下の東京証券取引所は9月の大型連休を利用して、株式売買システム「arrowhead」の刷新を終えた(関連記事:東京証券取引所--自動発注の“暴走”を止める)。2015年9月20日に新システムへの移行判定を終え、9月24日の取り引きから本番稼働させている(写真)。「今のところ取り引きに問題は生じていない」(東証広報)。

 新arrowheadでは、注文応答時間を旧システムの1ミリ秒から500マイクロ秒未満と半減させた。主なサブシステム間の接続をイーサネットからInfiniBandに変更するなどして、ネットワーク性能を強化して実現した。

 増え続ける注文数に対処するため、1日の最大注文件数は1億3700万件から2億7000万件に倍増。1秒間の注文処理件数は3~4万件から5万件以上に引き上げたという。

 旧arrowheadを稼働させた2010年と比べ、自動発注の割合が急増していることにも対応する。例えば新arrowheadで追加した「キルスイッチ」は、指定サーバーからの発注を止めた上で発注済みの注文であっても未約定のものを自動で取り消す機能。自動発注プログラムの誤作動で、証券会社が大量の誤発注をしてしまった場合などに有効な機能を提供する。