図●クラウドバックアップソリューションの概要(出典:NEC)
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写真●iStorage HS8-50(12TB)の外観
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 NECは2015年9月17日、データバックアップ専用ストレージ「iStorage HSシリーズ(HYDRAStor)」を用いた遠隔地バックアップについて、転送データ量を削減してバックアップを高速に終わらせるシステム導入パッケージ()と、バックアップ運用を簡素化して常にフルバックアップイメージにアクセスできるシステム導入パッケージを発表した。10月30日から提供する。いずれもiStorage HSシリーズにソフトウエア技術を組み合わせて実現した。

 システム導入パッケージの一つ、「クラウドバックアップソリューション」は、バックアップデータをWANに転送する前に重複を排除することで転送データ量を減らし、遠隔地バックアップにかかる時間を短縮するパッケージである。iStorage HSが備えている重複排除機能を外出ししてソフトウエア化し、これを個々の拠点で動作させる仕組み。外出ししたソフトウエアの名称は「High Speed Data Transfer Option」。

 クラウドバックアップソリューションを使うと、これまでできなかった転送前の重複排除ができるようになるほか、個々の拠点側にiStorage HSを設置する必要がなくなる。従来は、2台のiStorage HS同士でデータをレプリケーションする仕組みだった。今回のパッケージでは、拠点側で動作しているソフトウエアからバックアップセンターのiStorage HSに対してデータを転送する。

 もう一つのシステム導入パッケージ、「高速フルバックアップソリューション」は、差分/増分バックアップで転送データを抑えつつ、これらからiStorage HS内にフルバックアップイメージを自動で生成するパッケージである。2台のiStorage HS同士でデータをレプリケーションする使い方のままで利用する。ユーザーは、差分/増分バックアップを意識することなく、あたかも常にフルバックアップをとっているかのようにバックアップデータを利用できる。

 高速フルバックアップソリューションでは、バックアップセンター側に置いたiStorage HSの中で、シマンテックのデータバックアップソフト「NetBackup」のクライアントソフトを動作させる。NetBackupの機能を使って、差分/増分イメージからフルバックアップイメージを自動生成する仕組み。NECは、iStorage HSとNetBackupを連携させるソフト「Open Storage Suite Option」を開発した。

 二つのパッケージの価格(税別)は、iStorage HSのシングルノードモデル「iStorage HS3-50(8TB)」とソフトウエア(High Speed Data Transfer OptionまたはOpen Storage Suite Option)から成るパッケージ構成で、いずれも338万円から。別途、システム構築費用が必要になる。iStorage HS3-50(8TB)単体の価格は、298万円から。スケールアウト構成ができる上位機種「iStorage HS8-50(12TB)」(写真)は、900万円から(関連記事:NEC、ハイブリッドノードで効率を高めたデータバックアップ用NASの新機種)。