図1●「ゲオチャンネル」を2016年2月に開始
図1●「ゲオチャンネル」を2016年2月に開始
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図2●品ぞろえ
図2●品ぞろえ
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図3●料金体系
図3●料金体系
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 ゲオホールディングスの子会社であるゲオとゲオネットワークスは2015年9月15日、エイベックス・デジタルと提携し、新しい映像配信サービス「ゲオチャンネル」を2016年2月に開始すると発表した。日本初の「ハイブリッドVOD」と銘打つ。

 「ゲオチャンネル」サービス開始時は、月額590円(税別、以下同)で映画やドラマ、アニメ、音楽などの配信コンテンツが見放題となるベーシックプランを提供する。さらにゲオチャンネルの契約者は、特別優遇プランとして、店舗でも旧作タイトル月20本までレンタルが可能な月額590円プラン(店舗パック)と、宅配レンタルで旧作タイトル8枚を月1回、14泊15日でレンタルできる月額590円プラン(宅配パック)をオプションとして用意する。

 ゲオとエイベックスによる提携で実現した「ゲオチャンネル」は、映画や海外ドラマ、キッズ、アニメ、人気アーティストのミュージックビデオやライブ映像、成人向けなど13ジャンル、8万以上のタイトルを用意する。

 ゲオ店舗には平均的に5万タイトル以上、宅配レンタルには24万タイトル以上の品揃えがあり、利用者はオプションサービスを組み合わせることで、「すぐ見るVOD」「身近なレンタル店」「品ぞろえの宅配レンタル」を利用シーンに応じて使い分けることができる。メールアドレスを登録したゲオIDを使い、ワンストップでこれらが利用可能になるというのがハイブリッドVODである。「利用者に最適な選択肢と視聴体験を提供できる。利用者の便益が充実する。ゲオならではサービスが実現できる」(ゲオホールディングス 執行役員の林俊樹氏)とした。

 VODサービスは、スマートフォンやタブレット、パソコン、テレビ(Chromecast利用、HDMI ケーブル接続)のマルチデバイスに展開する。1アカウントにつき最大5台までデバイス登録が可能である。

 この日は、エイベックス・デジタル 常務取締役の村本理恵子氏も登壇した。「我々は日本で生まれて日本で育った動画配信サービスを行っているプレーヤーである。ゲオは日本で生まれたレンタルの雄。一緒に組むことで、利用者にとって、どんな化学反応が起こるか期待したい」と述べたうえで、エイベックス側の役割を説明した。エイベックス側は、「最近発表したザッピングUIを含むUI/UXの技術」「レコメンデーション(フィルムタグのノウハウ)」「視聴データの保有とそれをベースにしたユーザーニーズに応じたコンテンツ調達のノウハウ」を提供する。

 村本氏は、新しいレコメンド機能の展開にも期待を示した。エイベックスのレコメンド機能はこれまで、デジタル(動画配信)の世界の中での展開だった。ゲオとの協業では、利用者が店舗でレンタルした履歴と、デジタルでの履歴を合わせて利用者に最適なレコメンド機能の提供を目指す。「動画配信の履歴から、利用者が店舗を訪れたときに店員が個々のレコメンドデータを基に、こういう作品がありますよと接客の中で推薦できる新しいレコメンドの仕組みになる」と、期待を述べた。

 コンテンツの調達はエイベックス側が担当する。ただし、成人向けに限り「ゲオ側が年齢認証した上で提供を担当する」(ゲオホールディングスの林俊樹氏)。具体的には、プレステージの50作品を用意し、毎週10作品を更新する方向で準備が進んでいるという。

 ゲオは映像ソフトのレンタルサービスを中心に、全国に約1200店舗を抱えており、年間のユニーク利用者数は1600万人を超える。来年2月のサービス開始時には、ゲオチャンネルに無料ゾーンを設けて、この1600万人の利用者が会員として利用できるようにして、「ゲオ会員の全員を新サービスの無料会員とする」計画である。

 今回の提携の背景について、ゲオホールディングスの林俊樹氏は「VODの選択肢が広がる中で、レンタルビデオ市場がシュリンクするという見方がある。ただし、ゲオの場合は前年比で95%~97%を維持しており、根強いニーズはある。他方で、これだけ技術が進歩すると対応しない手はない。そこで全て用意して、利用者との絆、紐帯関係を強めていきたいと考えた」と述べた。

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