近々登場すると見られる米Appleのセットトップボックス(STB)「Apple TV」の新モデルは、ゲームが売りの1つになると、米New York Timesが現地時間2015年9月6日に報じた。

 Apple TV新モデルは、同社が9月9日のイベントで発表すると期待されている。現行モデルのApple TVは、音楽や映像のストリーミングに重点を置いているが、新モデルはゲームにも焦点を当てるという。

 New York Timesが関係者から得た情報によると、新モデルの価格は約150ドルで、従来モデル(69ドル)の2倍以上。性能を向上し、強化したグラフィックス、コントローラーとしても使える新しいリモコン、ゲームを購入およびダウンロードするためのアプリケーションストアが搭載される。

 ほとんどのゲーム関連企業の幹部やアナリストは、Appleが米Microsoftの「Xbox One」やソニーの「PlayStation 4」のようにハイエンドゲームのファンを引きつける可能性は低いと見ている。しかし、Apple TVにはまだカジュアルゲームという大きな市場がある。

 米リサーチ会社Jackdaw Researchのチーフアナリストは、Apple TVの可能性として、「カジュアルゲームを家族団らんの場であるリビングルームに持ち込み、よりいっそうのソーシャルアクティビティにすること」と指摘している。カジュアルゲームを楽しむ人々は、一般的なビデオゲームのコントローラーや壮大なタイトルを難解に感じ、もっと気軽なコンテンツを好む。

 Apple TVの新モデルを巡っては、これまでも、新たな価格設定で、ハードウエアをアップグレードし、専用アプリケーションストアを備え、ゲームに対応するようだと噂されていた(米Mashableの報道)。

 また、Appleが「Twitter」上にゲームアプリケーション関連の公式アカウント「@AppStoreGames」を開設したことも確認されている。9月3日に「App Storeのゲーム担当編集者からゲームのすべてをお伝えする新しい本部」とツイートし、その後、人気ゲームの画像とリンク付きのツイートを次々と投稿している。

 米Wall Street Journalは、Appleがモバイルデバイスにおけるカジュアルゲームの普及で成功したように、Apple TVでもそれを行おうとしていると報じている。