カナダBlackBerryは現地時間2015年9月4日、法人向けモバイル管理の米Good Technologyを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収額は4億2500万ドルで、BlackBerryはこれを現金で支払う。2016会計年度末(2016年2月末)までに手続きを完了する見込み。

 BlackBerryはGood Technologyの技術を自社の製品およびネットワークに統合する。私物端末の業務利用(BYOD)や会社支給端末の私的利用(COPE)といった様々な導入モデルに対応し、各種の異なるOSおよびユーザーインタフェースをサポートするモバイル管理ソリューションの拡充を図る。

 Good TechnologyはiOS、Android、WindowsにわたるマルチOS管理の実績があり、BlackBerryが持つBlackBerry 10およびAndroid向け管理の強みと統合することで、安全なモバイル環境の導入を検討している企業に対して幅広い選択を提供できるとしている。

 またBlackBerryは、Good Technologyを獲得することで、世界の企業および政府関連機関の顧客を拡大する。Good Technologyは6200以上の法人を顧客に抱え、Fortune 100企業の半数以上が同社技術を採用しているという。米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、BlackBerryの顧客は2万社を超える。

 なお、両社はかつて法人向けメッセージングシステム関連の訴訟で争ったことがある。BlackBerry(当時の名称は「Research In Motion」)は2002年に、特許侵害および著作権/商標権侵害、営業秘密の不正利用、契約不履行などでGood Technologyを提訴。2004年に、Good Technologyがライセンス料を支払うことで和解した(関連記事:加RIMと米Good Technologyが和解,ライセンス契約を締結)。

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