米Amazon.comのクラウド事業Amazon Web Services(AWS)は現地時間2015年9月3日、映像処理技術の米Elemental Technologiesを買収することで両社が合意したと発表した。買収金額などの詳細については明らかにしていないが、手続きは年内に完了する見込み。

 Elementalは2006年に設立され、米オレゴン州ポートランドに本社を置いている。同社のソフトウエアベースのソリューションは、メディアおよびエンターテインメント企業が、コンテンツをパソコン、スマートフォン、タブレット端末、テレビ向けにリフォーマットして、ケーブルや衛星サービスなど従来の映像サービスからマルチスクリーン対応のライブおよびオンデマンドビデオ配信サービスを展開できるようにする。

 Elementalの顧客には世界700以上の放送局が含まれ、英BBC、米ESPN、米HBO、米MSNBCなどが同社の製品を採用している。AWSとは4年前から協力関係にあるという。

 買収後もElementalは既存のブランドで事業を継続する。ElementalのビデオソリューションとAWSクラウドプラットフォームの統合を進め、オンプレミス、ハイブリッド、クラウドベースの幅広いソリューションをメディアやエンターテインメント企業に提供するとしている。

 米USA TODAYの報道によると、AWSが正式発表する前に、IT系ニュースサイト「The Information」が関係者からの情報として「AWSが約5億ドルの現金でElementalを買収する」と報じていた。

 Elementalを巡っては、スウェーデンEricssonと米Cisco Systemsも買収を検討していたとされている(米Wall Street Journalの報道)。

[発表資料(プレスリリース)]
[発表資料(AWS公式ブログ)]