米Amazon.comはこれまで限定的に行ってきた日用品購入用小型機器「Dash Button」の事業を本格化させた。新たに機器のブランド種類を増やして、購入できる商品種を増やしたほか、商品購入者には機器の代金を払い戻す。米メディア(Wall Street JournalTechCrunchなど)が現地時間2015年9月2日に報じた。

 Dash Buttonはチューインガムほどの大きさの機器で、それぞれに異なる商品ブランドがプリントしてある。スマートフォン用アプリで商品種の詳細と数量を指定し、前面右部分にあるボタンを押すと、その商品が2日以内に届くという仕組み。Amazonは今年3月末からこの機器を使った商品配送サービスを米国の「Prime」メンバーを対象に招待制で提供していた(関連記事:Amazon.com、日用品をボタン1つで注文できる小型機器「Dash Button」)。

 Amazonは当初この機器を無料で提供していたが、今年7月に有料化し、1台4.99ドルで販売した。だがTechCrunchによると、これには多くの不満の声が聞かれたという。Amazonの新たな試みでは、この機器を使って商品を購入した顧客に代金を返金するため、機器は実質無料になる。またDash Buttonのブランド種類はこれまで18種だったが、新たに11種を追加。合計29種のDash Buttonで500以上の商品を購入できるようにした。

 Amazonはこれまで何台のDash Buttonを配布・販売したか明らかにしていない。同社は当初1人の利用者に付き3台までという制限を設けていた。TechCrunchによると、Amazonは米国のPrimeメンバーに向けて広く提供できるようになったと話しているという。