東京証券取引所は2015年9月1日、東証上場会社でのIFRS(国際会計基準)採用動向をまとめた「『会計基準の選択に関する基本的な考え方』の開示内容の分析」を公表した。IFRS適用済み、または適用予定の112社のほか、194社がIFRS適用を検討している。検討中の企業がIFRSを採用した場合、IFRS適用企業は300社を超えることになる。

 東証は2015年3月末の決算短信から、上場企業に対して「会計基準の選択に関する基本的な考え方」を記載するよう要請している(関連記事:日立、リコー、電通、KDDIはなぜIFRSを採用したのか)。今回公表したのは、この記載内容からIFRSに対する動向を分析した結果である。2374社を分析対象とした。

 IFRS適用企業は112社(時価総額は147兆円、以下同)。内訳は、IFRS適用済みが68社(101兆円)、IFRS適用決定が23社(15兆円)、IFRS適用予定(「基本的な考え方」に予定している旨を記載)が21社(31兆円)。東証上場会社の時価総額に占める割合は24%となる。

 この112社に加えて、「基本的な考え方」でIFRS適用を検討中とした企業が194社(106兆円、時価総額に占める割合は17%)あった。

 IFRS適用企業を業種別に見ると、最も多いのは電機機器で18社(パナソニック、日立製作所、東芝、富士通、リコーなど)。情報・通信(12社、ソフトバンクグループ、KDDI、ヤフーなど)、医薬品(12社、武田薬品工業、アステラス製薬、エーザイなど)が続く。保険や銀行、空運、パルプ・紙、倉庫・運輸関連など11業種にはIFRS適用企業が存在しない。