米VMwareは2015年8月31日(米国時間)から、年次イベントの「VMworld 2015 US」で、稼働中の仮想マシンをオンプレミスとパブリッククラウドとの間で移動する「Cross-Cloud vMotion」や、コンテナ専用の新ハイパーバイザーなどからなる「Photon Platform」を発表した。

写真●米VMware President兼COO(最高執行責任者)のCarl Eschenbach氏
写真●米VMware President兼COO(最高執行責任者)のCarl Eschenbach氏
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 VMworld 2015 USは9月3日まで米サンフランシスコで開催しているイベントで、31日の基調講演にはPresident兼COO(最高執行責任者)のCarl Eschenbach氏(写真)などが登壇し、仮想化製品やクラウドサービスの新機能などを発表した。

vCloud Airのネットワーク機能が「NSX」ベースに

 今回発表した新機能であるCross-Cloud vMotionは、稼働中の仮想マシンを異なるサーバーに瞬間移動する「ライブマイグレーション技術」である「vMotion」を、クラウド間に広げたものだ。これはVMwareのパブリッククラウド「vCloud Air」に2015年9月から追加されるネットワーク関連の新機能「Advanced Networking Services」によって実現する機能となる。

 vCloud AirのAdvanced Networking Servicesは、同社のネットワーク仮想化ソフトウエア「VMware NSX」をベースにしたもの。ユーザー企業のオンプレミスのデータセンター(DC)とパブリッククラウドであるvCloud Airとの間を仮想的なL2ネットワークで接続する機能などを提供する。

 この仮想L2ネットワーク機能によってオンプレミスとパブリッククラウドを接続すると、これまではオンプレミスのDC内や、オンプレミスのDC間でしか利用できなかったvMotionを、オンプレミスとパブリッククラウドとの間で利用できるようになる。オンプレミスの「プライベートクラウド」とパブリッククラウドとをまたぐことからCross-Cloud vMotionと呼んでいる。

 Cross-Cloud vMotionは、vCloud Airの「Dedicated Cloud(占有型クラウドサービス)」のユーザーであれば2015年9月から、vCloud Airの「Virtual Private Cloud(共有型クラウドサービス)」や「Virtual Private Cloud OnDemand」のユーザーは2015年内に利用可能になる予定だ。