写真●急成長する米国のスマホ広告市場を狙う
写真●急成長する米国のスマホ広告市場を狙う
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 サイバーエージェントは2015年9月1日、米国にインターネット広告技術の開発拠点を設けたと発表した。大量の閲覧データを基に最適な広告を配信する技術である「アドテクノロジー(アドテック)」の開発や、米国でのネット広告配信を担う。米国を中心にした海外広告事業を拡大し、2017年に10億円の売り上げを目指す。

 9月1日付けでサンフランシスコに支部を開設した。同社のアドテック事業部門であるアドテクスタジオの海外支部として、まず7~10人体制で始動する。

 事業内容は現地向けのネット広告配信サービスの開発や技術サポート、同社製ネット広告配信システムの販売や導入支援、これらを基にしたネット広告配信など。ネット広告の中でも高い伸びが期待できるスマートフォン向け広告に注力する。Webサイトの閲覧履歴データを基に瞬時にネット広告を取引する「RTB」、ネット上のデータと企業内のデータを分析して最適な広告を配信する「DMP」といった技術を活用する。

 新設した支部を拠点に、米国のゲームやECといった企業の広告を配信する。現地での広告配信実績を積み、将来的には日本企業の米国におけるネット広告配信仲介も視野に入れる。

 米国のネット広告市場は2014年に前年比16%増の495億ドル(約5兆9000億円)と、日本の5倍近い。スマホをはじめとするモバイル広告は同76%増の125億ドル(約1兆5000億円)と急成長している(米IAB調べ)。