これまで、7月2日の東京でのキックオフイベント、7月24日~25日の大阪でのパネルディスカッション/アイデアソンを実施してきた「A3 IoT 2015 RE/Design」。第3弾は、「ものづくり(製造業)」が盛んな愛知県の名古屋市で8月22日に開催された。テーマは「IoTの世界で広がる、モバイルとロボットの未来」。過去のシリーズで論じてきたIoT、ウエアラブルを念頭に置きながら、今回のイベントでは、今後重要性が増すと目されるロボットをサブテーマに据えた。

 午前の部は有識者によるパネルディスカッション。参加したのは名古屋工業大学 情報工学科教授/東京大学 特任教授の梅崎太造氏、ユカイ工学CEOを務める青木俊介氏、名古屋工業大学 情報工学科教授の伊藤孝行氏の3名である。司会はこれまで同様、山下計画の山下哲也氏が務めた(写真1)。

写真1●パネルディスカッションの様子。左から梅崎氏、青木氏、伊藤氏、山下氏
写真1●パネルディスカッションの様子。左から梅崎氏、青木氏、伊藤氏、山下氏
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 梅崎氏は画像認識・顔認識・指紋認識技術・三次元計測などを得意分野とし、その開発成果は肌ケアサービス、大手企業グループや法人向けパソコンの指紋認証システムなどに利用されている。現在は愛知万博に出展した「ASKA(鬼ごっこロボット)」を発展させ、新たなロボットを開発中だ。

 青木氏が率いるユカイ工学は、脳波測定センサーを搭載したコミュニケーションツール「Necomimi(ネコミミ)」の商品化を支援したほか、小型のコミュニケーションロボット「BOCCO」を先日発売したばかり。自己紹介では、自ら持ち込んだBOCCOを操作しながら、今後ロボットに求められるであろう「アバターとしての役割」をアピールした。

 伊藤氏は人工知能をバックグラウンドに持ち、マルチエージェントシステムを研究している。マルチエージェントシステムとは、同一ではない異なるキャラクターを持つ人工知能を制御・管理する仕組みだ。

誕生、家族の絆を結ぶロボット