内閣官房は2015年8月27日、2016年度予算の概算要求を発表した。政府のサイバーセキュリティ対策の司令塔に当たる内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の予算として、83億100万円を要求する。2015年度予算の16億4700万円の約5倍になる。

 日本年金機構でサイバー攻撃による年金情報流出事件が発生するなど、日本の公的機関に対するサイバー攻撃の脅威が高まっている。これに対応するため、NISCの監視・調査能力の強化を図る。

 サイバーセキュリティ戦略本部が8月20日に決定した「サイバーセキュリティ戦略(案)」では、NISCの監視・調査業務の対象範囲を、従来の中央省庁に限らず、日本年金機構のような特殊法人などに拡大する方向性を打ち出している(関連記事:政府サイバー戦略が2カ月遅れでようやく確定へ、年金機構問題踏まえ見直し)。範囲拡大伴って必要になる人員や設備の増強のため、予算の増額を目指す。

内閣官房の発表資料(PDF)