写真1●防災用の位置情報自動通知サービス「ココダヨ」のアプリ画面
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写真2●ゼネテックの上野憲二代表取締役社長
写真2●ゼネテックの上野憲二代表取締役社長
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 ゼネテックは2015年8月26日、防災用の位置情報自動通知サービス「ココダヨ」を9月1日より提供開始すると発表した(写真1)。同社が取得した特許技術を基に開発しており、世界初のサービスという。

 ココダヨは緊急地震速報などの災害発生時の警報発令をきっかけに、あらかじめサーバーに保存していた災害発生直前の家族や従業員の位置情報をスマートフォンに通知するサービスだ。代表取締役社長の上野憲二氏は「地震発生後に通信が困難な状況になる前に、お互いの位置情報を確認できる」と同サービスの利点を説明する(写真2)。

 ココダヨのアプリをダウンロードすると、通常30分に1度、最新の位置情報をサーバーに登録する。「サーバー上の位置情報は常に最新のデータに書き換えられるため、個人の行動は追跡できない」(上野社長)。

 位置情報は相手によって非公開にしたり、都道府県や区町村までの表示にしたりといった設定が可能だ。災害発生時はアプリ画面で「困った」「助けて」「無事」といったボタンを押すことで、安否情報も送信できる。

 9月1日はAndroid版のアプリを投入する。「約1カ月後には、iOS版の提供も予定している」(上野社長)。当面はトライアルキャンペーンとして無料でアプリを提供する。有料化について上野社長は「2016年4月以降に状況を見て判断する。料金は月額課金で個人向けは100~300円、法人向けは300~500円程度を見込んでいる」と述べた。

 現在、トライアル版では自分以外に位置情報をやり取りできる人数は4人まで。ゼネテック社長室室長(新規事業推進担当)の後藤義仁氏は「有料版はやり取りできる人数などが増える追加オプションとしての提供も考えている」と話す。法人向けは「地図上に各従業員の位置を表示するなど、個人向けとは異なる画面構成になる」(後藤氏)。

 上野社長は目標ユーザー数について「3年間で1000万ユーザーを目指す」とした。携帯通信事業者と連携し、携帯電話での同サービスの提供も視野に入れる。「2016年のなるべく早い段階で英語版や中国語版も投入したい」(上野社長)と意気込む。

 急激なユーザー数の増加に対応できるよう、位置情報のデータはクラウド上のサーバーに保存する。後藤氏によると「現状は米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の東京リージョン(データセンター群)を利用している」という。災害時の事業継続の観点から「利用状況を見て、将来は他社サービスを含め、関西や北海道にデータセンターがあるクラウド利用も検討している」とのことだ。