2015年8月26日に開幕した「CEDEC 2015」(主催:コンピュータエンターテインメント協会、CESA)に、米Googleは展示を出し、セッションも実施した。セッション「Androidハイパフォーマンス・プログラミング」の講師はDeveloper Relationの松田白朗Developer Program Engineer。「私と同様に運動不足でしょうから立ち見の人は大変でしょう」「写真撮影はOKですが、音が気になる人もいるでしょうから盗撮カメラを使っていただければ」「質問はいつでもどうぞ。先着2名様にコーラを差し上げます」と場をなごませる。講演内容は充実したものだった。

写真●米Google、Developer Relationの松田白朗Developer Program Engineer。AndroidのTシャツが素敵
写真●米Google、Developer Relationの松田白朗Developer Program Engineer。AndroidのTシャツが素敵
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 「Androidでハイパフォーマンスのゲームを作るならAndroid NDK(Native Development Kit)でC/C++を使うことになります」というのは前提。開発のターゲットとするAndroid OSの現状は、最新のLollipop(5.0〜5.1)が18パーセント、KitKat(4.4)が39パーセント、Jelly Bean(4.1〜 4.3)が34パーセントで、ここまでで大半を占める。Gingerbread(2.3)は「ほぼ絶滅した」。グラフィックスライブラリのOpenGL ESは、バージョン2.0が60パーセント、3.0が36.8パーセント、3.1が3.4パーセントで、まだ2.0を視野に入れなければならないようだ。

 現行バージョンのAndroid 5.1は、OpenGL ES 3.1/AEP(Android Extension Pack)を搭載し、インストール時にJavaコードをコンパイルするARTランタイムが標準になり、低遅延オーディオ入力などの機能を持つ。次のAndroidは「Marshmallow(マシュマロ)」と呼ばれ、アプリに動作許可を与えるパーミション機構が大きく変わる。Marshmallow向けアプリは許可を必要とする動作をする時点で許可を求める。従来のアプリはインストール時に許可を求める。そして、どちらのアプリも、ユーザーが後でパーミションを変更できるようになる。「開発したアプリがクラッシュしないか、早めのチェックをお勧めします」ということだ。