図1●画像解析版の概要(出典:NEC)
図1●画像解析版の概要(出典:NEC)
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図2●人材マッチング版の概要(出典:NEC)
図2●人材マッチング版の概要(出典:NEC)
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 NECは2015年8月21日、ディープラーニングをデータ解析に応用した業務アプリケーションソフト「Advanced Analytics - RAPID機械学習 V1.1」を発表、同日出荷した。応用分野として、映像監視/画像分類に使える「画像解析版」(図1)と、人材仲介業や人事・採用業務に使える「人材マッチング版」(図2)の二つを用意した。

 今回の二つのアプリケーションは、ディープラーニングを活用した解析エンジンのサンプルとしての意味合いがある。いずれもWindowsパソコン/サーバー1台の上で、Webアプリケーション型で動作する。これらのアプリケーションとは別に、同様の解析機能を組み込んだシステムを構築するサービスなど、個別のSI案件も提供できるという。

 画像解析版は、カメラで撮影した画像を学習させることによって、検出したいシーンを高精度で検知する。これにより、カメラ画像を監視する負担を軽減する。店舗内監視や工場の検品など、画像分析を活用する各種業務への適用が考えられるという。

 人材マッチング版は、エントリーシートや企業の人事データなどから、求職者と求人企業の関係性を学習し、求職者に企業を紹介したり、企業が求職者を探したりできるようになる。人材仲介業や、企業内の人事業務、大学の中退者予測などへの適用が考えられるという。

 NEC北米研究所の独自技術によってメモリーに読み込むデータ量を圧縮したことにより、省リソースで高速なデータ分析処理を実現したとしている。従来であれば十数台のサーバーが必要になっていた機械学習システムを、1台のパソコン/サーバーで導入できるようになったという。

 価格(税別)は、画像解析版が年額530万円から、人材マッチング版が年額560万円から。1カ月単位で利用できる検証評価版も用意しており、月額110万円から。稼働OSは、Windows 7(64ビット版)またはWindows Server 2012 R2 。

 ディープラーニングの特徴は、手本となるデータから着眼点を自動で設定し、簡単にデータの検知や分類ができること。データの傾向が変化し、着眼点を再設定する場合でも、新たな手本データを追加して学習させることで変化に追従できる。これに対して従来の機械学習技術では、分析専門家がデータの着眼点を設定していたため、高度な専門知識が必要になっていたほか、設定した着眼点からずれた傾向を判断できなかった。