写真1●「Microsoft Dynamics AX on Enterprise Cloud」のサービス強化イメージ(暫定版)
写真1●「Microsoft Dynamics AX on Enterprise Cloud」のサービス強化イメージ(暫定版)
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写真2●NTTコミュニケーションズ ICTコンサルティング本部 ICTコンサルティング部門 第七グループ担当課長の糸山孝二氏
写真2●NTTコミュニケーションズ ICTコンサルティング本部 ICTコンサルティング部門 第七グループ担当課長の糸山孝二氏
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2015年10月1日より、マイクロソフト製のERP(統合基幹業務システム)パッケージである「Dynamics AX」を、クラウド上で提供するサービス「Microsoft Dynamics AX on Enterprise Cloud」の強化版を販売する(写真1

 サービス強化の主な内容は「ハイブリッドクラウド対応」「業種別テンプレートの追加」「アジア12カ国・地域での導入支援体制強化」だ。

 従来はNTTコムの企業向けプライベートクラウド「Enterprise Cloud」上で、Dynamics AXを構築、提供していた。これに加え、マイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure」上でDynamics AXを構築し、Enterprise Cloudと閉域網接続するハイブリッドクラウド構成も選択可能にした。

 NTTコムは過去7年間、国内製造業におけるアジア拠点へのDynamics AX導入を支援してきたという。この経験を生かし、業種別テンプレートでは「既存のDynamics AXの業種別テンプレートを目利きし、我々がこれまで培ったノウハウを盛り込んで提供する」(NTTコム ICTコンサルティング本部 ICTコンサルティング部門 第七グループ担当課長の糸山孝二氏)という(写真2)。

 10月1日時点で用意するテンプレートは「自動車部品製造業」「ハイテク製造業」「プロセス製造業」「個別受注生産型製造業」「APACグローバル会計型」の5種類だ。

 アジア12カ国・地域での導入支援体制強化については、アジア拠点へのDynamics AX導入期間を短縮する簡易コンサルティングサービスを提供する。糸山氏は「導入前に性能や現地の税制などとの適合性に対する不安をある程度払拭できる」と話す。糸山氏によると「オンプレミス(自社所有システム)でコンサルなしで進めた場合、通常は運用開始までに早くても半年はかかる。クラウドと簡易コンサルを使うことで運用開始まで1カ月~1カ月半で済む」という。

 さらにNTTコムが提供するICT環境の運用管理サービス「Global Management One(GMO)」を、Microsoft Dynamics AX on Enterprise Cloud向けに強化した。GMOが標準で提供するネットワークやサーバーの自動監視に加え、「データベースやDynamics AX自体のログも含めて監視する。問い合わせもタイやインドネシアなどの現地語で対応する」(糸山氏)とのことだ。