写真●新規契約者向けの6カ月無料などの施策を発表する、ケイ・オプティコム モバイル事業戦略グループの津田和佳グループマネージャー(左)
写真●新規契約者向けの6カ月無料などの施策を発表する、ケイ・オプティコム モバイル事業戦略グループの津田和佳グループマネージャー(左)
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 ケイ・オプティコムは2015年8月18日、MVNOサービス「mineo」の新たな料金戦略を発表した(写真)。新規契約者は1GBプランの月額基本料相当分の料金を6カ月無料とするほか、一部プランで基本料を50~80円(税抜き、以下同じ)引き下げる。MVNO各社のサービスの同質化が進むなか、「ただ乗り」のリスクを負ってでも回線の試用を促し、自信を持つ回線品質の良さを周知して契約増につなげる考えだ。

 MVNO市場は「格安スマホ」として市場の認知を得て急成長している。MM総研の調査によると、格安スマホを含む「独自サービス型SIM」の契約者数は2015年3月末時点で326万回線と、前年同月比で88.4%増加した。今春には端末のSIMロック解除が義務化され、秋には義務化後初のiPhone発売も見込まれる。当面さらなる市場拡大が期待されている。

 一方で、格安スマホ各社の競争は厳しい。各社は音声通話対応やアンテナショップの設置、回線と対応スマートフォン(スマホ)のセット販売などさまざまな取り組みをしているが、すぐに他社も追随し差異化が困難な状況だ。

 ケイ・オプティコムは参入当初から差異化に積極的だが、契約は思うように獲得できていない。2014年6月にmineoのサービスを開始。「KDDI(au)回線を利用する初のMVNO」として差異化を図ったが、mineo回線でiPhoneやiPadが使えないトラブルもあり苦戦した。

 2015年7月末の契約者数は8万人強と、当初目標の「参入から1年間で10万人」を下回る。格安スマホ市場ではNTTコミュニケーションズやインターネットイニシアティブ(IIJ)など上位4社が過半のシェアを占めており、ケイ・オプティコムがその一角に食い込むには至っていない。